東京で水爆が爆発、のリアル〜松本清張『神と野獣の日』(角川文庫)
松本清張としては珍しく、ある種のSF小説である。
Z国から誤射された核弾頭をつけたミサイルが東京に向かって飛んでいる。残された時間はわずか41分間。そのとき、日本国民はどう行動したのか?
『神と野獣の日』松本清張(角川文庫)
これは、おもしろい。
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松本清張としては珍しく、ある種のSF小説である。
Z国から誤射された核弾頭をつけたミサイルが東京に向かって飛んでいる。残された時間はわずか41分間。そのとき、日本国民はどう行動したのか?
『神と野獣の日』松本清張(角川文庫)
これは、おもしろい。
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オイラは、時刻表を眺めつつ、机上の旅行を楽しむのが好きだ。生まれて初めての一人旅は、長崎旅行だった。名古屋から新大阪に出て、寝台特急あかつきのB寝台に乗った。朝起きると、目の前に海が広がっていた。
原爆の惨状を初めて目で見て感じた。
帰りは、L特急かもめで博多に出て、新幹線で名古屋に帰ってきた。
そのとき、オイラは中学生だった。
鉄道には詳しいという自負があったが、今は鉄道にこだわりはなく、むしろ飛行機を使うことが多くなった。
『鉄道地図は謎だらけ』(所澤秀樹著、光文社新書)
申し訳ない、全然ついていけなかった(爆笑)
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この本は、夫の精神的暴力に苦しむ妻たちのために書かれた本である。
「モラル・ハラスメント」という言葉をご存知だろうか?
精神的な嫌がらせ、虐待、暴力のこと。物理的・身体的なハラスメント、例えば、セクハラやドメスティック・バイオレンスのような、ハッキリ目に見えるわけではないところが、この問題の難しさだ。オイラも、ずいぶん前にこの言葉と出会い、勉強したことがある。
『家庭モラル・ハラスメント』熊谷早智子著、講談社+α新書
夫から妻に対するモラハラを解説した本だが、著者の熊谷さん自体が、夫のモラハラから逃れ、自由を勝ち取った1人でもあり、その経験談を中心に、いかに《モラ夫》から逃れるかを書いている。
夫のモラル・ハラスメントの猛威と敢然と戦い、コントロールから逃れて自由を勝ち取った、いわば、痛快活劇である。
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たぶん、眞鍋姉さんがブログを書いていなければ、オイラもブログを今日まで続けることはできなかったと思う。
最初のうち手探りで始めたオイラのブログは、ある大事件をきっかけに読者が飛躍的に増えた。大事件の首謀者は、眞鍋姉さんだった。
今夜は、その師匠・眞鍋姉さんが書いた
『女子!?ごころ』(ワニブックス)
を紹介しよう。
帯には、「デビュー10周年エッセイ」と紹介しているけれど、オイラが読んだ感触としては、「エッセイ」というよりは、「単独インタビュー」って感じだ。
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科学者が書く本は、とかく難しいイメージがあるが、大槻義彦さんの文章は、そこぶる読みやすい。テレビでしゃべっているのと、ほぼ同じ。難しい用語はあまり出てこない。あの愚痴っぽいオカルト批判も健在で、そのまんまである。
『江原スピリチュアルの大嘘を暴く』(鉄人社)
オカルト批判とは、理屈ではなく、世界観なのだ。「幽霊なんていない」というのは、科学的に幽霊が存在しないという意味以前に、その人が世界を認識するときに、どんな立場からモノを観ているのかということが、まず先にある。
この前提の世界観が壊れていると、大槻さんがこの著書で批判している東大の茂木健一郎氏のように、優れた頭脳と知見がありながらオカルトを受け入れてしまうという恥をさらすことになる。
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『東京人』2月号の特集は、
開通80年 地下鉄がつないだ東京風景
である。
日本初の地下鉄が上野・浅草間を走り始めて80年。当時と今とでは社会が違いすぎるけれど、1本の地下鉄すらなかった東京に細書に地下鉄を走らせる興奮は、想像を超えている。
地下鉄は現在の副都心線が完成してしまうと、新たな建設予定の路線はほとんど残されていない。東京の地下鉄網はほとんど完成されている。それが、何ともつまらない。
今のルートを考え出したのが誰なのか知らないが、真っ白なキャンバスに線をひくのは、どんな気持ちだったんだろうか。
東京はつまらない街になった。
オカルト作家が妄想を書き綴った本が大売れするくらい、今の東京にはロマンがなさすぎるのかもしれない。
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2007年9月16日に初めてこの地に移り住み、毎朝江ノ電とJRを乗り継いで都心まで通う毎日。休日は愛車(自転車)を乗り回し、夕方は浜辺で日没と富士山を眺めながら黄昏れる。
そんな生活は、39年も生きていて初めてのことだから、ちょっと恐い。
帰り道にコンビニに寄ったら、
『別冊湘南スタイル・湘南で暮らす本』(枻出版社)
が発売されていた。
サブタイトルには、
そろそろ思い切ってみてはいかがですか?
とある。
はい。もう思い切った後です。
と思いつつ、1冊手に取り、レジに向かった。
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オイラは社会性のある書籍はほとんど読もうとしない。政治や社会に無関心であるのみならず、これまでそういう本を読んでおもしろいと思ったことがほとんどないからだ。とりわけノンフィクションの類は、ろくな本に出会ったことがない。
今回読んだ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』は、久しぶりに一気に読み切った。
おもしろい。
胸躍るってのは、こういうことを言うのだろう。
オイラにたまっていたフラストレーションが解消されるような心地だった。
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オイラの部屋からは江ノ電の走る音がする。汽笛が聞こえ、ブレーキがきしむ音がする。
オイラの部屋からは波の音がするってことに今夜気づいた。
部屋からは海は見えない。でも屋上にのぼったら見えそうな気もする。が、屋上にはのぼれない。
でも海の近くなんだなーと実感した夜だったりしちゃったりしたのだ。
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今日、東京メトロ千代田線で電車が車掌を置き忘れたまま発車してしまったそうだ。車掌抜きで発車した電車はある意味「ワンマン運転」だが、運転士はいったいどこでそれに気づいたのだろうか。
それよりオイラは、置いて行かれると気づいた車掌が全力疾走で電車を追いかける姿を想像して、思わず笑ってしまった。
いやはや、戦前からあったとしか思えない(意味なし)
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会社帰りに閉店間際のスーパーに駆け込む。客足はまばら。鮮魚コーナーには安売りの刺身があったりして、晩ご飯のおかずにしたり。
そんな平和な毎日に変化を与える秋庭本。
オイラって暇だなー(笑)
今日はオカルト小説の検証第3弾である。
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大きな地震だったように思えた。1日の未明に強い横揺れで目を覚ました。これは震度3か4くらいだろうと思った。その後、weathernewsの地震メールが届いたら、
箱根湯本で震度5強
では、この辺は?
震度2
??????
計測値と体感の違い。実は体感のほうが正しいこともある。科学って割り切れるものじゃないんだ。
そんな話はおいといて、秋庭先生のオカルト小説を検証する第2弾である。
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同じことを何度もブログで繰り返すのは、結構憂鬱だ。それでも地下のオカルト作家・秋庭俊先生は同じネタを繰り返すのが大の得意なので、それにつきあうとどうしても同じ事の繰り返しになってしまう。
正直、これを検証するだけのテンションがないのだが、これまでの経過もあり、スルーするわけにもいかない。
あまり深入りせず、1つ1つを淡々と突っ込んでいきたい。
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ないものをあると言い張って、すでに8年。自称「ジャーナリスト」のオカルト作家・秋庭俊先生の苦労は痛いほど分かるのだ。
マジで「隠された地下網」が出てきてしまったら、その時点で秋庭先生の仕事は終わってしまう。
あるものをあると書いたり、ないものをないと書いたら本にならないから、先生はないものをあると書いて、8年間、「地下のオカルト作家の権威」として食いつないできたのだ。その限りにおいては決して見つかることはないから、秋庭先生の仕事は永遠になくならない。
大切なのは、そこにあるような気がする、ってこと。けっして本当に「何か」があってはならないのだ。
それが、オカルト作家が永遠に「ジャーナリスト」を自称できる絶対条件なのだから。
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逃げ場のない社会は、人間を壊す。頑張らなくてもいいと思っても、周りの環境に恵まれていないと自らの周りの人々は勝手にファイティングモードになり、人間を壊そうとウズウズしている。行き場がなくなり、人間を壊して事態を打開したつもりになろうとするのだ。壊された人間はそれこそ行き場をなくし、妄想の世界で巨大な敵とたった一人で戦うことになる。
引っ越し前に読んだ1冊は、
晋遊舎ブラック新書『集団ストーカー 盗聴発見業者が見た真実』(古牧和都)
だった。
本を手に取ったときの印象とは全然違う内容だった。「集団ストーカー」という言葉はネット上でよく見かけていて、でも正体がよく分からないということもあるし、何よりオカルトチックなノリが多くて、どう捉えたらよいのか悩んでいたのだ。
「集団ストーカー」なる犯罪を暴くものではない、という点に半分は驚いて、半分はスッキリした。
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ぶんか社という会社から、「2ちゃんねる新書」ってのが創刊されている。あの某巨大掲示板のスレッドを丸写しして新書にまとめたシリーズである。毎月2日に発売されるらしい。
オイラが手にしたのは、
『アツアツご飯に何を乗っけて「わしわし」する?』
である。
そんなの、半熟目玉焼きにマヨネーズって決まってるじゃん・・・
って、そういうこと以前にこの新書にはオイラにとって理解不能な言葉が並んでいた。
著作権ってなんやろー。
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少し早めのお盆休みがとれたので、都立図書館に行くと、東京室に『メトロ誕生』(中村健治著、交通新聞社)という本が入っていた。
現在の東京メトロ銀座線は、元々2つの会社が建設して、直通運転をしたのが起源だ。
1つは、日本で初めて地下鉄を敷いた早川徳次の東京地下鉄道。現在の浅草・新橋間である。
もう1つは、後に東急王国を築いた「強盗・慶太」の異名を持つ五島慶太の東京高速鉄道。現在の渋谷・新橋間である。
早川の東京地下鉄道は、浅草・上野間に日本で初めて地下鉄を敷き、ついに新橋まで開通させる。さらに免許を持っている品川までの路線を敷き、後々は当時の京浜電鉄を通って神奈川まで直通運転する野望を持っていた。
一方、五島の東京高速鉄道は、東京市から新宿・築地間、渋谷・東京間の免許を譲り受ける。ところが、五島は渋谷から東京へは向かわず、新橋までの路線を敷き、東京地下鉄道との直通運転を早川に迫る。
『メトロ誕生』は、早川が日本で初めて地下鉄を敷くまでの軌跡と、早川と五島との熾烈な争いを、史実に沿って描く。
おもしろいエピソードは、直通運転が実現した後の東京高速鉄道と東京地下鉄道とのライバル争い。
東京地下鉄道は日本初の地下鉄だから車両も古くてパワーが足りない。東京高速鉄道は車両が新しくて、パワーがあるので、高性能にものを言わせてスピードを上げて、東京地下鉄道の車両を追いかけるのだそうだ。普通なら別々の会社が直通運転をするときは、それぞれの会社線で乗務員が交替するんだけど、このときは東京地下鉄道の車両は東京地下鉄道の社員、東京高速鉄道は東京高速鉄道の社員が乗務して、浅草・渋谷間を走ったのだそうだ。
まあ、誰とは言わないが、妄想たっぷりで地下鉄ネタを展開する自称ジャーナリストと違い、現代風に若干アレンジを加えながらも史実を忠実に追っているところに好感が持てる。
何より自称ジャーナリストの書いているオカルト本に対する痛烈な反証となるし、頭がオカルト風味にアレンジされている人には、正しい歴史を学ぶ教則本となることだろう。
そ・・それにしても暑い。Weathernewsのケータイサイトでチェックしたら、調布の最高気温予想は37度。体温を超えるらしい(驚)
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地図の上に定規で線を引っ張りながら、隠された地下道を見つけたと思いこんで興奮している秋庭俊先生に敬意を表したいくらいの『新説東京地下要塞』文庫版を、思い切り突っ込みまくる第7弾は、ついに最終回である。
今回は「第七章 先に地下があった」を検証する。
その直線は皇居の建物の方向に一致し、しかも、中庭を貫通している。(P214)
こういうのが皇室を愚弄しているというのだ。中庭というのが何を示しているのか謎だが、おそらく宮殿のことであろう。つまり、新年などの一般参賀で使われる建物だが、これは戦後に建設された建物だ。もちろん宮内庁の庁舎も戦後に建設されている。中庭を貫通していると何故「しかも」になるか分からない。
話題は丸の内が野原だという話なのに、いつの間にか虎ノ門と竹橋の間を極秘地下鉄が通っている。
虎ノ門と竹芝では駄目なの?
おもしろいのは、銀座線の萬世橋を陸軍参謀本部がつくった廃駅だとしていること。飯田橋駅がカーブなのも、参謀本部の仕業。地下鉄も、地上を走るJRも、すべて陸軍の仕業だと書いたあげく、最終的には、
東京という都市は、私は、中世ヨーロッパの五角形の要塞理論で築かれていると思う。(P228)
という、??????な結論へと至る。
ここまで来ると、もう秋庭先生に地上と地下の区別はない。鉄道の認可に地上・地下の区別がないのではなく、秋庭先生自体から区別が消えてしまったのである。
ホームがこっちを向いている。ホームはあっちを向いている。
千駄ヶ谷、四ッ谷、飯田橋、昌平橋、萬世橋・・・。
地上の鉄道も、地下の鉄道も、区別なく何故か「五角形の要塞理論」と重なってしまう。
こうなると支離滅裂で、真面目に読んでいても理解できない。一直線の地下道が極秘に敷かれたという内容かと思いきや、ここではすでに地下も地上もない。どれもこれも「五角形」の仲間入りをさせられている。分からなくても勢いよく読み進むと、そのうち突然、結論が登場する。
GHQの地図。。。。
「私たちに地下の真実を語る唯一の資料」だというのに、この地図は五角形の要塞理論とは無縁で、何の関係もなく一直線が敷かれている。これまでさんざんと展開してきた五角形の要塞理論はどこかに消えて、今度は突然ローマ字同士をつなぎ合わせるという地味な作業へと転化してしまう。
しかも、この地図、あれほど秋庭先生が声を大にして主張した、虎ノ門・竹橋間の極秘地下道が書いていないようだ。
これまでの議論はすべて横において、新たに「雷門・寛永寺・清水観音堂・神田橋・数寄屋橋・東海道本線(?)」という直線地下道が登場する。「不忍池・飯田橋・新宿御苑」という地下道も、おそらく初登場であろう。
普通に読解力のある読者は、ここで途方に暮れる。
「竹でも植えて虎でも飼うさ」は、いったいどこへ消えたのだろうか?
ついに最後には、新宿・代々木間の極秘地下道という途方もない、脈略のない結論へと導かれてしまう。
とはいえ、すでに読者には考える余地がない。何の論証もないが本はここで終わってしまう。しかも「読者自身で見つけてもらいたい」と投げっぱなしである。このあと「あとがき」では、「御」の字がどうのこうのと、すでに別の話題に入っている。
呆然・・・。
では、このGHQの地図はいったい何を表したものなのか、オイラの考えを述べよう。
黒く塗りつぶされている部分は、空襲で残った建物である。東京駅の周辺がほぼ残されていることが分かる。国会議事堂も無傷だということが分かる。築地市場も同様である。
これらが何故空襲の被害から逃れたのか?
それは、米軍が意図的に避けたからである。彼らは現金なもので、日本を占領したあと接収して使うつもりだった施設をわざわざ目星をつけて空襲でも避けていたのである。
薄いグレーで塗りつぶされた一帯は、焼け野原である。当時の写真を見ると分かるが、東京はほとんど残骸すら点在するほどのまっさらな大地と化していた。
隅田川の東側が完全に焼き払われていることが分かると思う。東京大空襲では大勢の非武装の一般庶民が焼け死んだ。この地図が作成された原図となった航空写真は、終戦直後に米軍によって撮影された。その航空写真を見たことがあって、ふとこの地図と重なった。
白い部分は最初から障害物がなく無傷だった場所である。広場、道路、川などが白いことが分かると思う。
斜線が入っているのが、残骸が残されている場所である。
つまり、この地図は、終戦後の東京の被害状況を表したものであると推定できる。
GHQが何の目的でこの地図を作成したのかまでは分からないが、当時の航空写真と見比べてみると、何が表現したいのかが何となく分かる。
7回にわたり、『新説東京地下要塞』文庫版を検証してきた。
これまでそれは一つの仮説、疑惑の提示に過ぎなかったが、最近、私は実際に地下道をこの目で見たから、もはやそれは仮説や疑惑ではなく、一つの告発と受け取っていただきたいと思う。(P3)
ある意味、文庫版の「まえがき」「あとがき」は、秋庭先生の逆ギレなのだと思う。これまで秋庭ワールドを支持してきた信者からも、1年前に発売された単行本『新説東京地下要塞』は微妙な反応で受け取られた。仮説という仮説がすべて反論され尽くされる。疑惑という疑惑がすべて解けてしまう。追いつめられた秋庭先生の最後の一手は、自らの目で「隠された地下網」を見て、それを告発する以外にない。
その結果が、この「文庫版まえがき」である。
「文庫版あとがき」ではさらに、極秘の地下道に赤絨毯を敷き、コンビニまで営業させてしまう。
終わったなと思った。
文庫本を手にした読者のうち何人がこのブログにたどり着くのかは分からない。悲しいかな我がブログは、Google司祭の陰謀により、いわゆる「ググる」ことが難しくなっている。相手は大手の出版社とオカルト作家である。そう簡単に黙らせることなどできないだろう。しかし逆ギレを余裕で鼻で笑うことくらいは容易である。
ふふふ・・・。
秋庭先生、角川からの新刊、お待ちしています。
(おわり)
伝説のオカルト本『新説東京地下要塞』が文庫化〜著者の秋庭俊先生が「隠された地下網を暴くと逮捕されるぞ!」と読者と関係者を恫喝
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縦横無尽に妄想を張り巡らせるオカルト作家・秋庭俊先生が「法律違反」を覚悟して書き留めた命がけの著書『新説東京地下要塞』文庫版を解読していたけど、そろそろ飽きてきた(笑)第6回。今回は、「第六章 天下を掌握したのは誰か」を検証する。
てかね、皆さん、この章ってちゃんと読んだ?
さらっと読み流したでしょ。
そりゃそうだ、さっぱりつまんないし、何のことやらさっぱり理解できない。突然、京成線のルートを曲げずに伸ばしてみたり、地下の上水を電車を走らせたり・・普通に読んでいたら首を傾げてしまうよね。リアリティのかけらもない。
この章では様々な飛躍が起きる。
まず最初は、地下に潜った京成線のルートをカーブせずにまっすぐ伸ばしてみる。次に山手線のルートを巣鴨から目白まで直線で引っ張り、都電荒川線と重なるぞと書いてみる。
これ、秋庭先生の地下ルート探索法。直線の地下街路があると思いこんでいるから、いくら矛盾を指摘されても、ここから逃れることができない。
この探索法の起源は、『帝都東京・地下の謎86』(洋泉社)である。
同書の174ページに「カーブする必要はありませんから」というタイトルで、東京メトロのとある人物と会っているという逸話を書いている。
そのトンネルが戦前からあったように思えたら、そのまま真っすぐ一直線に進んで、そこに同じようなトンネルがあるか確かめればいい
秋庭先生は、この方のこの言葉を信じて、地下鉄のルートとルートを定規で結んだりしながら、極秘地下道を探索しているのである。何の取材もせずに。この「カーブする必要はありませんから」の論理と、漢字やローマ字で同じもの同士を結ぶという論理が重なったものが、秋庭式の地下網探索法の神髄なのである。
この話が実話かどうかは疑問だけれど、仮に事実だったと仮定して(そんな仮定はしたくないけど百歩譲って)、秋庭先生は、せっかくの恩師のアドバイスを踏みにじるような仮説の建て方をしている。
秋庭先生の恩師は、トンネルとトンネルを結べと言っている。
京成線の例を見てみようか。トンネルを延ばしてみただけ。その先にあるのは地上の施設である。都電荒川線に至っては、山手線も都電荒川線も地上を走っている。
秋庭先生、この時点で、あなたは恩師の言葉すら曲解して、仮説をねつ造しているのだよ。
もう1つの飛躍は、これ。
鉄道の認可は、通常、起点と終点があるだけで、線路の本数に制限はなく、地上地下の区別もない。路面電車は起点から終点まで道路の上を走るが、線路が敷ければ、一直線の線路を敷いても構わない。一つの認可で道路を走る路線を敷設し、かつ、道路の地下を走る路線を敷いても構わない。(P200)
では、考えてみよう。
現在、東京メトロ副都心線の建設が明治通りの地下で進んでいる。起点は池袋で終点は渋谷である。地上と地下の区別はない。ならば、池袋から渋谷まで地上に一直線の鉄道を敷くこともできるということになる。
途中にはビルもあれば住宅もある。そんなことできるわけないだろって?
大丈夫。「鉄道の認可」は下りている。地下の明治通りにトンネルを掘っているのだから、地上にも線路を敷けるはずだ。しかも、ルートは無限なのだよ。地上に一直線に鉄道を敷いても、それはすでに国土交通省が認可をおろしているのだから、誰も文句は言えない。
土地収用法を活用すればいい。収用法は、事業自体の違法性を問うことはない。いったん事業が認可されれば、池袋から渋谷まで一直線上のルートにある土地はすべて、収用法の手続きさえ踏めば収用可能である。じゃあ、なんで地下に、わざわざ明治通りに沿って鉄道を敷いているんだ?
さて、もうお分かりだろうか。
この仮説、「極秘地下鉄」という前提がないと成立しないのだ。
起点と終点が決まれば、あとはどこを通っても大丈夫、なんて鉄道があったら、世の中大混乱になってしまう。極秘地下鉄ならシールド工法で住民に知らぬ間にトンネルを掘ればいいかもしれない。でも、「地上地下の区別もない」のだから、いったん認可を受ければ、鉄道会社は地上だろうが地下だろうが、縦横無尽に線路を敷くことが可能だ。
たった1つの認可で何万人もの住民が立ち退かなければならないという大変な事態に陥っても、それは、政府が認可したのだからって話になる。
そして、究極の飛躍は、これ。
その地下の上水の水運を、電車に替える際、どんなことが必要かわからないが、西郷は海軍、三菱、皇族間の調整をしていたのだと思う。(P202)
いつの間にか暗渠の上水を電車が走り出してしまう(笑)
ちなみに、上水は川を暗渠にしたものではない。それは秋庭先生の勘違い。地元の区立の博物館とかに行ってみてはいかがだろうか。玉川上水なら、新宿区立の博物館が詳しいと思う。暗渠の上水が石であれ、木造であれ、そのルートは非常に細いものだ。人間どころか、ネズミが走る程度のスケールしかない。
そりゃ、そうだ。玉川上水はたった1本の上水に水が流れている。それが四谷大木戸から先は江戸市中に暗渠のルートを通して分散する。水量は格段に減る。
船が行き交う地下上水が、仮にあったと想定してみよう(そんな想定したくないが)。
何が課題かと言えば、水量の確保である。
それが、今度は電車を走らせるとしてみよう。流れていた水は、いったいどこに行ってしまう?その水で生活していた江戸庶民は、今度はどこから飲料水を確保するのだろうか。
文庫版のあとがきにこんなことが書いてある。
国会議事堂は旧玉川上水、増上寺は渋谷川、サンシャインシティは千川上水の支流にあたる。(P240)
秋庭先生ってよく渋谷川を出すんだよね。
「春の小川」って歌、知ってる?
小学生くらいによく歌ったよね。あれは、かつての渋谷川のことなんだ。「さらさら」流れている。平和な光景だ。その川の地下に極秘地下道?
小川だよ、小川・・・。
その地下に都電が走っていた?
地下の上水を船が行き交っていた?
秋庭先生は、こんなことも書いている。
本書では、皇室には十分に配慮したつもりである。(P238)
これで配慮したつもりなのだろうか。「春の小川」の地下に極秘地下道を敷いた。鉄道の認可が下りたからと、起点と終点を結ぶ一直線のトンネルを掘った。京成線のトンネルを掘るついでに我が家までトンネルを延ばした。さあ、陛下、「交通報国」の精神でトンネルを献上いたします・・・。
こんなアホな話がマジだというなら、皇室を愚弄しているという以外に何だというのだろうか。
(つづく)
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ココログのメンテナンスもようやく終わり、連載再開である。地下のオカルト作家・秋庭俊先生の『新説東京地下要塞』の文庫版を、単行本との比較もしながら解読する第5回目。
今回は、「第五章 新宿・都営軌道」を検証する。
新宿プリンスホテルの地下駐車場は、靖国通りにあるサブナード公共駐車場とつながっているのか?
新宿プリンスホテルにお客様用の地下駐車場はない。
新宿プリンスホテルには、サブナード公共駐車場への出入り口があるだけで、ホテルの地下には駐車場は存在しない。新宿プリンスホテルのサイトのQ&Aには、以下のような案内がある。
Q 駐車場はありますか?
サブナード公共駐車場(車高制限2.1m)をご利用ください。ご宿泊のお客さまは、1泊につき¥2,000(出し入れなし)にてご利用いただけます。アシスタントマネージャーデスクまたはフロントにてお支払いください。レストランのご利用、その他につきましては 30分につき¥310かかります。(大型車両については、30分につき¥350かかります。)サブナード公共駐車場にてお支払いください。
悲しいかな、この段階でこの章は終わってしまっている。これから先にいろいろと秋庭先生が展開していても、結局は「別々の駐車場がトンネルでつながっている」という前提がなければ始まらない話ばかりで、つながっていないのであれば、章全体が破綻する構成である。
停車場は地下鉄の駅で、停留場は都電の駅なのか?
停車場も停留場も、鉄道の駅で、地下鉄か都電かを分ける単語ではない。
東京の地下鉄は戦前にすでに作られていたという噂は本当か?13
鉄道の専門用語では、「停留場」とは構内に転轍機の設備のない駅のことである。例えば上下線を渡る分岐がないと言えば分かりやすいだろうか。「停車場」とはその逆と考えてよい。
秋庭先生がこの章で引用している文書は、駅の設備に変更を加えただけで、都電が地下鉄に変わったわけではない。
仮にこれが都電から地下鉄への変更を申請した文書だと仮定してみよう。東京中に極秘の地下都電網が張り巡らされていたとすれば、現在の東京の地下鉄ルートに転用する際に、新宿三丁目だけではなく、他の箇所でもたくさん停留場から停車場への変更申請が行われていたはずである。その文書は、どこにあるのか。何故新宿三丁目だけが明らかになったのか。
他の地下鉄の建設史には、停車場と停留場が両方登場する。現在の地下鉄で何故「停留場」が残されているのか?その駅には今も極秘の都電が発着しているのか?
駐車場と駐車場をつなぐトンネルはない。都電の停留場が地下にあったという証拠はない。
では、いったい「都営軌道」はどこへ消えてしまったのか?
オリンピックの前、東京の道路はガラガラだったのか?
昭和30年代、都心の交通渋滞は深刻な社会問題となりつつあった。
急速な自動車の普及により、都心の道路は日に日に自動車が増えて、慢性的な渋滞が起き、交通がマヒした。都電は年々平均スピードが落ちていき、それに伴い乗客も減ってしまった。最終的にはついに自動車に追いやられ、都電は縮小を余儀なくされた。
自動車が普及すると駐車場の確保が課題となる。でも都心の地上に駐車場をつくるような余裕はすでにない。なので、民間が駐車場ビジネスに参入することは不可能に近い。残るは広い道路の地下ということになるが、道路を管理しているのは国や都なので、必然的にその地下に駐車場を整備するのは行政機関ということになる。
秋庭先生の著作は、終戦後の東京の歴史認識が決定的に欠如している。
今回も単行本と文庫版で新旧対照を。
(単行本)「天皇の名がつけられた道」(P156)
(文庫版)「元号がつけられた道」(P162)
昭和通りが完成した当時、昭和天皇はまだ存命で即位されたばかりだったので、当然昭和通りは天皇の名を冠しているわけではない。ようやく秋庭先生はそのことに気づいたらしい。でも、天皇の名ではなく元号となれば、何故軍部が出てくるのか意味不明である。
間違えたならいったん引き返すべきだが、秋庭先生は止まることをせず、小さな手がかりを踏み台にして次の仮説へと進む。すると小さな手がかりが間違っていることが分かるが、すでに引っ込みがつかないくらい途方もなく巨大な妄想と化している。すると、もう勢いで走りきるしかない。秋庭先生の著作で語られる仮説のほとんどは、そうやって筆を滑らせたものである。
(つづく)
伝説のオカルト本『新説東京地下要塞』が文庫化〜著者の秋庭俊先生が「隠された地下網を暴くと逮捕されるぞ!」と読者と関係者を恫喝
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メンテナンス開始まであと30分、取り急ぎ駆け込み投稿しておきたい。
以前、宝島社からMOOKで発売された『要塞都市・東京の真実』が文庫化された。
基本的にオイラは、オカルトを自称する本に目くじらをたてるつもりはない。この本は、自称はしていないものの、お読みになれば分かるが、典型的なオカルト本である。
都市伝説の権威・自称ジャーナリストの秋庭俊先生が普段書いている内容を、とことんまで突き詰めていくと、こんな感じになるという典型的な本である。
なので、本の内容自体を取り立てて突っ込むつもりはあまりない。
こういうタイプの本は、ある程度の妄想や誇張を前提に、ある種のオカルト的なノリを楽しんでいくもので、まさか本当に信じてしまう人は・・・いないよねー。
大丈夫?
ただ、まあ、秋庭先生が登場するとなると、オイラも触れずにいるわけにもいかない。
・銀座線を封鎖して、中にいる人を追い返したという事実は、何の文書に何と書いてあったのか、誰に取材した結果なのか?
東京大空襲で亡くなった方がどれだけいるか、ご存じだろうか?
何千人という単位で死傷者が減ったなんて、軽々しく言える根拠は何だろうか?
この人が一番腹が立つところなのだが、妄想では済まされない筋違いの政府批判をすることがある。
・国会議事堂の敷地内で“館”という名のつくところには、ほとんど地下道があるのか?
確かに国会議事堂と関連施設は地下道で結ばれているけど、別の秘密ではない。てか、秋庭先生、地下道の場所、知らないくせに・・・。
【秋庭系東京地下物語'07《秘密》】(第10回)国会議事堂の「隠された地下」の謎・その4
・赤坂見附駅が水没したのは、南北線のトンネルの建設現場から浸水したのか?
これは、秋庭先生がガセネタを吹き込まれたんじゃん。
【秋庭系東京地下物語2007】(第3話)水没した赤坂見附駅の妄想
お台場でテロがあっても地下鉄は走っていないから水没しないよね。まありんかい線はヤバいかもしれないけど、防水扉ってのはテロ対策であるわけじゃないもんね。てかしゃべっていること、らりってない?
ああ、もう時間がない。
では、おやすみなさい(笑)
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日本中の地下マニアを熱狂させたオカルト作家・秋庭俊先生の『新説東京地下要塞』の文庫版を解読する第4回。今日午後からはココログの長時間メンテナンスがあるので、午前中に予約投稿機能でアップしておく。
今回は、「第四章 都営浅草線の真実」を検証する。
東京の地下鉄が都営と東京メトロの2社に分かれているのは、東京都が悪いのか?
悪いのは東京都ではなく、営団を存続させた当時の運輸省である。
終戦直後、東京の地下鉄を東京都が建設すべきとする都営案と、当時運輸省が主張した営団方式とが真っ向から対立していた。国会の圧倒的多数派は都営案を支持し、営団の廃止法案まで準備されていたが、運輸省が圧力をかけてつぶした。
この問題を考えるには、東京都だけでなく、地下鉄が走る他の政令指定都市に目を向けてみればわかりやすい。札幌、仙台、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡・・・地下鉄を建設し、運営しているのは、すべて市である。何故東京だけ営団という特殊法人が都をさしおいて地下鉄を建設しているのだろうか。
つまり都が地下鉄を建設するのが異常なのではなく、営団(現在の東京メトロ)が地下鉄を建設するのが異常なのだ。
『新説東京地下要塞ー隠された巨大地下ネットワークの真実』(秋庭俊著)を読む3
上記のエントリーで詳細に分析している。
都営浅草線のルートは無駄で不必要な路線なのか?
都心の交通マヒを解消させるために必要な路線だった。
秋庭先生が勘違いしているのは、終戦後の都心部の交通事情である。別の本で都心では車が走っていなかったような書き方をしているが、昭和30年代から都心の道路は深刻な交通渋滞に悩まされている。年々、地上を走る都電のスピードが落ちて、乗客数にも陰りが見え始めていた。
浅草線のルートは、浅草から新橋まで銀座線やJRと併走することになるが、当時も今も、JRの上野・東京間は日本一の混雑である。特に上野・御徒町間の殺人的ラッシュを、秋庭先生も一度経験なさってはいかがだろうか。
ちなみに浅草線の最初の開業区間は、押上・浅草橋間である。開業と同時に京成線と直通運転を始めている。これは、荒川の東側を中心に交通アクセスの整備が遅れていて、都がそれに対応しようとしたためだ。秋庭先生の議論は、浅草・新橋間だけを取り上げて浅草線の評価をしているが、浅草線の整備目的はそんなにちっちゃくはない。
都営浅草線の泉岳寺・高輪台間には、上りと下りの線路の間に得体の知れない建築が横たわっているのか?
この区間はシールド工法でトンネルを掘っており、得体の知れない建築を横たわらせることはできない。
これは、下記のサイトをお読みになるのが良いと思う。
都営浅草線 泉岳寺ー高輪台間には何がある?(書き散らsyndrome)
秋庭先生の妄想だったらしい。
昭和通りの新橋・三原橋間には市電・都電の線路が戦前・戦後と敷かれなかったか?
戦前に敷かれたが、戦後に廃止され、線路は撤去された。
東京の地下鉄は戦前にすでに作られていたという噂は本当か?22
東京の地下鉄は戦前にすでに作られていたという噂は本当か?25
帝都復興事業で昭和通りが整備された頃、沿道の住民から道路が広すぎてすっかり町が寂れてしまったという苦情が東京市に寄せられた。そこで東京市は、新橋と三原橋間の短区間だったが、市電を敷いた。GHQが作成した地図の元になった航空写真にはその市電の線路が写っており、地図にも反映された。
従って、GHQの地図は、極秘に戦前に建設された浅草線を表してはいない。
ところで、この章でも秋庭先生は、文庫版の発行にあたって数々の修正を加えている。一番目立ったのは、文庫版129ページの「内務省東京市内外交通委員会計画」である。単行本では123ページに「昭和通りルート」という図で掲載してあったが、今回は出典が千代田線建設史であることを明記してある。
それは結構なことだが、首を傾げてしまうのは、中身を改変していることだ。
単行本では「赤坂見附」しかなかったが、文庫版では「伏見宮邸」が付け加えられている。伏見宮邸は戦前、現在のホテルニューオータニの敷地にあった。つまり赤坂見附なのだ。それを知ってか知らずか、文庫版の図では赤坂見附も伏見宮邸も両方書いてある。
秋庭式の特徴なのだが、過去の地下鉄計画の路線図を引用して、「極秘の地下鉄だ」と勝手に決めつける。よーく考えてみてほしい。仮にそれが極秘の地下鉄だったとして、では地上に住んでいる一般市民はいったい何に乗って移動しろというのだろうか。こっちも極秘、あっちも極秘、秋庭先生の議論はいつもこうである。一般市民の乗る地下鉄計画は、いったいどこにあるのだろう。それとも、戦前の東京の交通網は、通勤・通学、買い物で使う一般市民のことなど考えもせずに線を引っ張っていたのだろうか。
秋庭先生の本を読んでいると、まるで戦前の一般庶民は地下鉄なんぞに乗ってはいけないものだったように思われてくる。
もしも私鉄が地下鉄をビジネスにしようとするなら、オイラならきっとあふれるほどの一般庶民を乗せると思う。軍部の極秘地下鉄なんて商売にならないから。土建会社なら建設すれば儲かるが、私鉄会社だから建設したら資金を回収しないと商売にならない。そこに皇族が優雅に地下鉄にお乗りになって、1日何往復かされる路線を、仮に私鉄が建設したとしよう。
そんな私鉄会社、あっという間に資金が底をついてつぶれる。
(つづく)
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