中秋の名月が満月じゃないって知ってた?
十五夜の時期、日本はちょうど秋雨前線が居座っていることが多い。最近は気象の常識が通用しない時代だが、秋雨前線の気まぐれな上下運動は、今も昔も人々の気持ちを揺さぶったのだ。
江戸時代の書物には、中秋の名月は、十年に九年は見えずとある。確かに昨年は雨が降っていたし、一昨年晴れたものの、その前年は曇っていた。
だから、もしかしてもしかすると、
今年の中秋の名月は、10年に一度くらいの美しい月なのかもしれないのだ。
オイラは引っ越してまだ1週間あまり。
のんびりと月を見上げる暇がなかったけれど、今夜は速攻で会社を出て、午後8時頃には江ノ島へとたどり着いた。
ほとんど誰もいない海岸。
静かに打ち寄せる波音。
優しく降り注ぐ月の光。
いつもより、そこはかとなく大きな月。確かにまん丸ではなくて、少しいびつに欠けているのが分かる。
真っ暗な波打ち際を歩いていると、波打ち際がだんだん海に向かって下がっていくのが分かった。
潮が引いている。
こんなの初めて見た。まるで海の底に吸い込まれるように潮が引いていく。さっきまで波が打ち寄せていた場所を歩いてみる。砂が濡れている。もっともっと波は沖へと後退していく。
吸い込まれそうになる。
その沖は真っ暗闇だ。
どこまでも遠くまで海が続いている。
見上げると中秋の名月。とても美しく自分を照らしている。
何度もケータイ電話のカメラやデジカメのカメラを構えてみたが、ちゃんとフレームにおさまってくれない。真っ黒になるか、月の輝きだけ強調されるか、意味不明な夜景だけが映る。
でも、目の前には今この瞬間にしか見えない、月明かりに照らされた海岸が広がっている。
言葉でしか表現できないけど、やっぱり言葉では表現できない。
うっとりしながら家路につく。
自宅の窓からも見上げると、まん丸な月。微妙にいびつな月。
帰り際、ある料理屋に顔を出した。
これが、めっっっっっっっちゃうまい。
生しらすもあった。
名月と美味しい魚介類。
後日、ちゃんとレポを書こうと思う。
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