壊れている社会が生み出した、壊れている人の妄想
逃げ場のない社会は、人間を壊す。頑張らなくてもいいと思っても、周りの環境に恵まれていないと自らの周りの人々は勝手にファイティングモードになり、人間を壊そうとウズウズしている。行き場がなくなり、人間を壊して事態を打開したつもりになろうとするのだ。壊された人間はそれこそ行き場をなくし、妄想の世界で巨大な敵とたった一人で戦うことになる。
引っ越し前に読んだ1冊は、
晋遊舎ブラック新書『集団ストーカー 盗聴発見業者が見た真実』(古牧和都)
だった。
本を手に取ったときの印象とは全然違う内容だった。「集団ストーカー」という言葉はネット上でよく見かけていて、でも正体がよく分からないということもあるし、何よりオカルトチックなノリが多くて、どう捉えたらよいのか悩んでいたのだ。
「集団ストーカー」なる犯罪を暴くものではない、という点に半分は驚いて、半分はスッキリした。
まず「集団ストーカー」が何かご存じない方は、検索サイトで検索してみてほしい。驚くほど多くのページがヒットする。
電波攻撃で火傷をおわされた。
家の中を盗聴機や盗撮機で監視されている。
毒ガス攻撃された。
パソコンのハッキング攻撃を受けている。
人工衛星から監視されている。
集団ストーカーの被害者は、ネット上に氾濫している。
普通にネット上の情報を鵜呑みにすると、恐くて外も歩けなくなると思う。いや家の中も含めて自分が生きている空間が信用できなくなる。
外を走るオートバイが自分に「ほのめかし」をしているとか、横断歩道の向こうから歩いてくる人がすれ違いざまに自分しか知らないはずのことをささやいたとか・・・。
おそらく被害者は、たった1人で世界と戦っている。
で、この本の著者は、盗聴器を発見する探偵業を営んでいて、数え切れないほど集団ストーカーの被害の訴えを聞き、実際に解決のために奔走した。でも、たった1つでも集団ストーカーの「犯人」を見つけることはできず、逆に集団ストーカーなんてこの世にいない、という結論に至るのである。
著者は、集団ストーカーの被害者は、ずばり「あの病気」と断定する。
そこまで断言して良いものなのだろうかと思いつつ読み進んだが、オイラも著者の提示する具体例を読んで、納得してしまった。
「集団ストーカー」がここまで「事実」として社会的に蔓延してしまった原因は、インターネットにある。これまでなら「あの病気」で済んだような人々が、ネット上で様々な情報に触れて、ネット上の情報をもって「確信」してしまう。匿名性の掲示板やブログなどでその確信はさらにエスカレートして、「既成事実」化する。
なあーんだ、「あの病気」かー・・・
と、突き放して考えられない。
彼らを病気になるまで追いつめたのは、誰なのか?何なのか?
人が人を壊す時代。
社会が人を壊す時代。
案外身近に、たった1人で世界と戦っている人がいるのではないかと考えてみる。
たまに、出会うことがあるのだ。
いったいこの人は誰(何)と戦っているのだろうかと思う瞬間。
それは時には、母の敵を会社で討っていたり、父の敵を家庭で討っていたり、幼少の頃の恨みを現代で晴らしていたり・・・。
トラウマを生きる原動力にすると、人は孤独になる。
その人の過去なんて誰にも理解できないからだ。
「集団ストーカー」というキーワードにすがってしまう人の気持ちが、オイラは少し理解できるような気がするのだ。
オイラも、「あの病気」の素質があるのかもしれない。
それは、それで、自分の人生なんだろう。
そのときは、そのときなんだろう。
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コメント
ただの「あの病気」だと思われますか?
ご心配なく。ノイローゼになって自爆に至るような者には、はなっから彼らは興味を示しませんから。
投稿: オトナ | 2007年9月18日 (火) 22時25分
そうですか。ならばオイラは安心しました。おやすみなさい(^.^)
投稿: mori-chi | 2007年9月19日 (水) 00時18分