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2007年9月29日 (土)

幽霊に証言させて「ジャーナリズム」を装うオカルト本『大東京の地下鉄道99の謎』(秋庭俊著、二見文庫)の自爆

ないものをあると言い張って、すでに8年。自称「ジャーナリスト」のオカルト作家・秋庭俊先生の苦労は痛いほど分かるのだ。

マジで「隠された地下網」が出てきてしまったら、その時点で秋庭先生の仕事は終わってしまう。

あるものをあると書いたり、ないものをないと書いたら本にならないから、先生はないものをあると書いて、8年間、「地下のオカルト作家の権威」として食いつないできたのだ。その限りにおいては決して見つかることはないから、秋庭先生の仕事は永遠になくならない。

大切なのは、そこにあるような気がする、ってこと。けっして本当に「何か」があってはならないのだ

それが、オカルト作家が永遠に「ジャーナリスト」を自称できる絶対条件なのだから。

さっそく買ってきた。

『大東京の地下鉄道99の謎 各駅の地底に眠る戦前の国家機密!』

前回の『大東京の地下99の謎』は秋庭系信者からは「電波が足りない」と落胆の声が上がったものだから、今回はかなり気合いが入っている。

私は、ひたむきに東京の地下の情報を掘り起こし、荒唐無稽というご批判をあえて甘受して仮説を大胆に提示し、新たな情報公開を各方面に求めてきた。(「はじめに」より)

秋庭先生が勘違いしているなと思うのは、こういう「甘受」の内容。

オイラがしつこくブログで指摘し、批判しているのは、秋庭先生の主張していることが「荒唐無稽」だからではない。

まとめてここで指摘しておきたい。

その1 泥棒はやめよう。

他人が書いた本を丸写しして、あたかも自分が取材して明らかになったような書き方をするのは、卑怯だし、ジャーナリズムとしては最低である。朝日新聞が読売新聞の記事を盗用した事件があったけど、それとレベルが変わらない。

その2 嘘は泥棒の始まり。

泥棒するだけではなくて、他人の本や資料から泥棒して持ってきたネタを、自分が主張したい内容に無理矢理こじつけて、あたかも「隠された地下網」を証明しているかのように振る舞う、つまり「隠された地下網」の証拠だと嘘をつくのはやめてほしい。

その3 人格のねつ造

後藤新平、中村順平、ル・コルビュジエ、丸ノ内線の設計士・・・etc 歴史上の人物の人格をねじまげ、ねつ造し、あたかも「隠された地下網」の当事者であるかのように、人格をねつ造するのはやめてもらいたい。

他にもいろいろ言いたいことは山ほどあるが、これらは「隠された地下網」があるかどうかというレベル以前のことで、ひとえに書き手の人間性の問題に他ならない。

こんなんだから、彼の取材を受ける人間などいない。もしも気安く取材を受けようものなら、何もしゃべってもいないのに「地下を隠蔽している」とか「地下をこっそり教えてくれた」などと発言をねじ曲げたり、ねつ造されてしまうことは、秋庭先生が書いてきたオカルト本を読めば一目瞭然だからだ。

それでも彼は食っていかねばならぬ。家族を養わねばならぬ。

そこでいつからか彼の本には、「隠された地下網」を証言する幽霊が現れるようになった。

『大東京の地下鉄道99の謎』にも、たくさんの幽霊が登場する。

近所の住人から聞いたことがある。(P62)

中野区に住む高齢者に聞いてみると(P67)

年配の方からは(P143)

地元の人はもちろん、淡路町駅を利用していた人も(P191)

専門家でも(P210)

これらはすべて幽霊と思われる。いるのかいないのかよく分からない。秋庭本を印象操作している人たちで、時には重要な証言となったりする。秋庭先生の本はかなり昔から同じネタを繰り返していたのに、この本になって初めて登場した証言者もいる。

これらの幽霊たちは、実は秋庭先生が「隠された地下網」を見つける上ではほとんど意味をなしていない。むしろ、秋庭本を補強するために登場する幽霊で、印象操作の道具に過ぎない。

では、秋庭先生はいかにして地下道を見つけ出しているのか?

今回の本では、その本音がついに暴露されていた。

東京の地図を広げて定規で線を引いてみていただきたい。そして、その線の上に何があるのかチェックしてみると面白い。(P162)

これが秋庭式の地下網探索法である。

この人、誰かに取材して何かを見つけたことなんて1度もない。地図上に定規で線を引っ張り、その間にある「何か」を結んで、地下道を見つけたつもりになっているのだ。念のため申し添えておくが、そこから地下道が現れたことなど、8年間、ただの1つもない。

そこで最初に書いた話を思い出していただきたい。

見つけちゃいけないんだ。

あるような気がするだけ。マジで地下道が出てくる必要はまったくない。定規で線を引っ張るといかに「それらしい」物件が見つかるかが大切であって、地下道がそこにあるかどうかは意味のないことである。

「らしい」直線を引っ張ったら、図書館で肉付けである。

公文書館なんて行く必要ない。秋庭先生のネタで公文書館が必要なネタはほとんどない。

秋庭本に登場する「極秘文書」は、国会図書館か都立図書館でほとんど入手可能である。

地図を広げて、ある場所とある場所を一直線に結ぶ。その間の「らしい」物件を見つける。・・・これって、よくよく考えると何でもないことなんだよね。東京というのは、すさまじい数の神社仏閣や公共施設がある。地下鉄の駅なんて山手線の内側に縦横無尽に散らばっている。どこかとどこかを直線で結べば、その間に「何か」がひっかかるのは、ごく自然なことなんだ。むしろ何も引っかからずに線を引っ張るほうが至難の業だ。

何でもないことをやって、あたかも国家機密を見つけたような気分に浸る。

これが、秋庭流の本質なのである。

ところで最後におもしろい指摘をしておこう。

私が『帝都東京・隠された地下網の秘密』(洋泉社刊)を出版したころ、読者で白井幹夫さんという熟年の男性からメールを頂いたことがある。白井さんの父上は陸軍におられたそうだが、その父上から「中野坂上には地下ロータリーがある」と聞いた、というのだ。(P65)

秋庭本ではおそらく唯一、一般人なのに本名が掲載されている証言者である。

白井幹夫さん、この方、何者なのだろうか?

白井幹夫商店

上記は、ご本人のサイトである。ブログもある。白井幹夫さんは、ミュージシャンで、全国のライブハウスなどでライブをしている。実は秋庭先生は、白井さんの大ファンで、白井さんも秋庭本のファンなのである。秋庭先生が白井さんのライブに登場し、本では書けないようなネタを披露することもある。ブログに写真入りで登場したこともある。

で、何でここで突然、白井さんが登場されたのか。よく分からないが、この2人の蜜月関係は、ここに書いてある通り、白井さんのメールから始まったものなんだろう。

ぜひとも白井さんのライブで、意気揚々と妄想を炸裂させる秋庭先生を拝見したいものだが、まめにブログをチェックさせていただいているが、なかなか登場してくれない。

秋庭先生、そろそろいかがですか?(笑)

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コメント

支離滅裂な上に軒並み退行?
京王新線また、営団譲渡説になってるし、
法政の54年館の話復活してるし、
ところで、150ページの地図二葉、これ完璧な商業利用で無断転載だと思うんだが。
(昭文社提供)とか、(アルプス社提供)って書いてるから、いかにも許諾を受けてる様な見掛けだけれど、
これ、それぞれ、東京地下鉄が昭文社から提供を受けている、Yahoo!がアルプス社から提供を受けている。
って意味で、秋庭さんや二見が許諾を取ったって意味じゃないよね。だったら、いつもの泥棒じゃん。
括弧書き付けただけ余計に質悪い。

投稿: 陸壱玖 | 2007年9月30日 (日) 03時35分

おはようございます。

前回は二見も「ほんまに売れるんかい?」ってノリで出したけど、今回は自信を感じさせます。他人の本を丸写ししても文句は来ないし、中身がデタラメでも売れるという確信を得た、そんな感じでしょうか。電波満載でもイケるぞってね(笑)

投稿: mori-chi | 2007年9月30日 (日) 09時46分

團臨を走らせてみました。

http://www3.atwiki.jp/619metro/pages/90.html

午後からは雨なので、日本未来科学館の「地下展」でものぞいて来ようかと。

投稿: 陸壱玖 | 2007年9月30日 (日) 12時35分

乙ですm(__)m

地下展は来週の連休辺りにアタックしようかと企てておりました。なんせ遠くなったんで(;^_^A

オイラもそろそろ始めますかね( ̄― ̄)

投稿: mori-chi | 2007年9月30日 (日) 14時14分

既にご承知の事とは思いますが、地下展お越しの際は事前に
未来館のサイト
http://www.miraikan.jst.go.jp/
で音声サイドストーリーの確認や割りチケゲト等を。
或いは、常設展の事前ツアーで事前に利用方法の検討を。
インタープリターさんやボランティアさんとのコミュニケーション(此処に科学が介在する余地が無いのがこの博物館の矛盾)が無いと、意図も、思いも伝わらない博物館巡りになっちゃいますね。
私は今日現地について、初めてこの博物館との付き合い方を色々知った次第。
なにしろ、館内にあるはずのバーガー家ウェンディーズに一旦館外に出なければ入れないなんて(館内工事のため)。この雨の中。

投稿: 陸壱玖 | 2007年9月30日 (日) 23時06分

重ね重ね乙です。

開館当時に遊びに行った覚えがあります。開館と同時にプラネタリウムが1日分満席になる盛況ぶりに驚きました。昔の科学館とはずいぶんイメージの違うところですよね。時代が変わったのかななんて思いました。次の連休に訪れて、レポをあげようかと。

投稿: mori-chi | 2007年9月30日 (日) 23時43分

 急に冷え込みがきつくなってきましたけれど、お元気にお過ごしですか?
 さて、「中野坂上の‘地上の’ロータリー」について wiki に挙げておきました。

 http://www3.atwiki.jp/619metro/pages/96.html

ついでに、重宝な地図AMS L-774の「凡例」もサービスしてあります。
 まっ、元の地図があのサイズですので、どれだけ意味があるかは「?」ですが。
 年末進行のハードな中、風邪など召しませぬようご自愛ください。
                            陸壱玖拝

投稿: 陸壱玖 | 2007年11月20日 (火) 22時10分

こんばんわ。

お疲れ様です。この凡例が載っている『銀太郎』でしたっけ?これを読んでいると、すでにこの頃には秋庭先生がジャーナリストとしての取材活動ができなくなって、図書館に籠もっていたことがよく分かります。ただ、それでもまだ、この記事にはGHQの地図が最後の拠り所という確信みたいなのを感じます。脳内地下鉄はこうして走り出す、その典型のようなケースの1つでしょうね。

「ロータリー」とか「痕跡」とかいう秋庭流の言葉遣いも、脳内地下鉄だからこその言葉遣いで、そこにはリアルな地下鉄などなく、「線」であったり「点」であったり「形」であったり「字」であったり、つまり抽象的な記号でしかない。そして、それらを定規で引っ張った直線が、彼の「地下網」なのです。

そう。『銀太郎』にもありましたよね、

「このような駅をいくつか拾いだして定規で結んでみた」

やはり定規みたいです。

読者は『地下網の秘密』出版以来、みーんなこの定規の描く抽象的な線図に引っかき回されて、今日に至っている。信じるか信じないかは、それぞれの勝手ですが、大変不幸なことなのだと思います。

投稿: mori-chi | 2007年11月20日 (火) 23時07分

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