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2007年7月27日 (金)

【緊急特別企画】秋庭俊先生の『新説東京地下要塞』文庫版を解読する(最終回)

地図の上に定規で線を引っ張りながら、隠された地下道を見つけたと思いこんで興奮している秋庭俊先生に敬意を表したいくらいの『新説東京地下要塞』文庫版を、思い切り突っ込みまくる第7弾は、ついに最終回である。

今回は「第七章 先に地下があった」を検証する。

その直線は皇居の建物の方向に一致し、しかも、中庭を貫通している。(P214)

こういうのが皇室を愚弄しているというのだ。中庭というのが何を示しているのか謎だが、おそらく宮殿のことであろう。つまり、新年などの一般参賀で使われる建物だが、これは戦後に建設された建物だ。もちろん宮内庁の庁舎も戦後に建設されている。中庭を貫通していると何故「しかも」になるか分からない。

話題は丸の内が野原だという話なのに、いつの間にか虎ノ門と竹橋の間を極秘地下鉄が通っている。

虎ノ門と竹芝では駄目なの?

おもしろいのは、銀座線の萬世橋を陸軍参謀本部がつくった廃駅だとしていること。飯田橋駅がカーブなのも、参謀本部の仕業。地下鉄も、地上を走るJRも、すべて陸軍の仕業だと書いたあげく、最終的には、

東京という都市は、私は、中世ヨーロッパの五角形の要塞理論で築かれていると思う。(P228)

という、??????な結論へと至る。

ここまで来ると、もう秋庭先生に地上と地下の区別はない。鉄道の認可に地上・地下の区別がないのではなく、秋庭先生自体から区別が消えてしまったのである。

ホームがこっちを向いている。ホームはあっちを向いている。

千駄ヶ谷、四ッ谷、飯田橋、昌平橋、萬世橋・・・。

地上の鉄道も、地下の鉄道も、区別なく何故か「五角形の要塞理論」と重なってしまう。

こうなると支離滅裂で、真面目に読んでいても理解できない。一直線の地下道が極秘に敷かれたという内容かと思いきや、ここではすでに地下も地上もない。どれもこれも「五角形」の仲間入りをさせられている。分からなくても勢いよく読み進むと、そのうち突然、結論が登場する。

GHQの地図。。。。

「私たちに地下の真実を語る唯一の資料」だというのに、この地図は五角形の要塞理論とは無縁で、何の関係もなく一直線が敷かれている。これまでさんざんと展開してきた五角形の要塞理論はどこかに消えて、今度は突然ローマ字同士をつなぎ合わせるという地味な作業へと転化してしまう。

しかも、この地図、あれほど秋庭先生が声を大にして主張した、虎ノ門・竹橋間の極秘地下道が書いていないようだ。

これまでの議論はすべて横において、新たに「雷門・寛永寺・清水観音堂・神田橋・数寄屋橋・東海道本線(?)」という直線地下道が登場する。「不忍池・飯田橋・新宿御苑」という地下道も、おそらく初登場であろう。

普通に読解力のある読者は、ここで途方に暮れる。

「竹でも植えて虎でも飼うさ」は、いったいどこへ消えたのだろうか?

ついに最後には、新宿・代々木間の極秘地下道という途方もない、脈略のない結論へと導かれてしまう。

とはいえ、すでに読者には考える余地がない。何の論証もないが本はここで終わってしまう。しかも「読者自身で見つけてもらいたい」と投げっぱなしである。このあと「あとがき」では、「御」の字がどうのこうのと、すでに別の話題に入っている。

呆然・・・。

では、このGHQの地図はいったい何を表したものなのか、オイラの考えを述べよう。

黒く塗りつぶされている部分は、空襲で残った建物である。東京駅の周辺がほぼ残されていることが分かる。国会議事堂も無傷だということが分かる。築地市場も同様である。

これらが何故空襲の被害から逃れたのか?

それは、米軍が意図的に避けたからである。彼らは現金なもので、日本を占領したあと接収して使うつもりだった施設をわざわざ目星をつけて空襲でも避けていたのである。

薄いグレーで塗りつぶされた一帯は、焼け野原である。当時の写真を見ると分かるが、東京はほとんど残骸すら点在するほどのまっさらな大地と化していた。

隅田川の東側が完全に焼き払われていることが分かると思う。東京大空襲では大勢の非武装の一般庶民が焼け死んだ。この地図が作成された原図となった航空写真は、終戦直後に米軍によって撮影された。その航空写真を見たことがあって、ふとこの地図と重なった。

白い部分は最初から障害物がなく無傷だった場所である。広場、道路、川などが白いことが分かると思う。

斜線が入っているのが、残骸が残されている場所である。

つまり、この地図は、終戦後の東京の被害状況を表したものであると推定できる。

GHQが何の目的でこの地図を作成したのかまでは分からないが、当時の航空写真と見比べてみると、何が表現したいのかが何となく分かる。

7回にわたり、『新説東京地下要塞』文庫版を検証してきた。

これまでそれは一つの仮説、疑惑の提示に過ぎなかったが、最近、私は実際に地下道をこの目で見たから、もはやそれは仮説や疑惑ではなく、一つの告発と受け取っていただきたいと思う。(P3)

ある意味、文庫版の「まえがき」「あとがき」は、秋庭先生の逆ギレなのだと思う。これまで秋庭ワールドを支持してきた信者からも、1年前に発売された単行本『新説東京地下要塞』は微妙な反応で受け取られた。仮説という仮説がすべて反論され尽くされる。疑惑という疑惑がすべて解けてしまう。追いつめられた秋庭先生の最後の一手は、自らの目で「隠された地下網」を見て、それを告発する以外にない。

その結果が、この「文庫版まえがき」である。

「文庫版あとがき」ではさらに、極秘の地下道に赤絨毯を敷き、コンビニまで営業させてしまう。

終わったなと思った。

文庫本を手にした読者のうち何人がこのブログにたどり着くのかは分からない。悲しいかな我がブログは、Google司祭の陰謀により、いわゆる「ググる」ことが難しくなっている。相手は大手の出版社とオカルト作家である。そう簡単に黙らせることなどできないだろう。しかし逆ギレを余裕で鼻で笑うことくらいは容易である。

ふふふ・・・。

秋庭先生、角川からの新刊、お待ちしています。

(おわり)

伝説のオカルト本『新説東京地下要塞』が文庫化〜著者の秋庭俊先生が「隠された地下網を暴くと逮捕されるぞ!」と読者と関係者を恫喝

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(関連サイト)

書き散らsyndrome

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コメント

秋庭さんの不思議は、
──私の主張(通称仮説)を確認するのは簡単だ、何処其処の扉(公園のトイレの壁、時として国会議事堂の地下の、何とやらの扉)を開ければ、其処には私の主張する地下網が拡がっている。──
などと言募っても、自分で開けた験しが無い事ですね。
今回も見た見たと言いながら、「私が法律を破るわけにいかない」って、いつから政府関係者になったのかな秋庭さんは?秋庭さんが雲国策無いジャーナリストならば、別に「政府関係者の誰某に案内された」って言わないで済むソースの秘匿が可能なのに、「私がどこを見たのかを述べることができない。」と仰る。
斯様な姿勢は、彼には「虚妄」も含めて検証の忌避こそ、彼の地下妄の生命線だと言う事が判っているから、検証責任を勝手に他者に振って、直接的な解が無い(私達の様な論証批判は当然無視、多分彼にとっての権威たる国家、学者、報道の実証も彼は、自身が認識しなければ存在しないと言う姿勢をとるから、無視)事を己の正当性の憑拠としているからに他なりません。
検証の忌避の例としては、300頁を2頁に圧縮したと言う「台湾出兵の真実」、あの、単行本に於ける「公式の歴史とは異なるところもある。」真実を彼は何を以ってどのように検証したのか、一切書いていません。
人はこのトレーサビリティーの無さに惑わされます。ある程度の努力をしないと確認できないことについて、その努力を行わない者は、確認の放棄に拠って反証力を失い、「反論できなければ信ずるしかない」コンプライアンスすなわち盲信に立ち至るのだと私は考えます。
そのような点から私は秋庭氏はオカルトと言うより、その信者の質において「カルト」だと考えています。(長文スマソ)

投稿: 陸壱玖 | 2007年7月28日 (土) 02時55分

長文どうもです。

確かに「カルト」に近いノリですね。存在しないものを「ある」と言い張るのはとても楽なんですが、それを「ない」と証明することは大変難しい。「ある」と証明することすらできないのに、「存在しない証拠はないのだから、あるに違いない」と錯誤する。

「秋庭さんが書いている中身はデタラメだが、隠された地下網はあってもおかしくない」とか「秋庭さんは、暴露すると身に危険が及ぶから、わざとデタラメなことを書いて隠された地下網を暴露している」とか、ノストラダムスの予言とレベルが変わらない妄信がはびこってしまう。

それならそれで、無関係な人物を巻き込んで本を書かないでほしいのですが、後藤新平やらル・コルビュジエやら中村順平やらと、死人に口なしと人格をねじ曲げ、ネタがなくなると無関係な現職の都議会議員まで地下網を隠蔽する犯罪者に仕立て上げる。

ただのオカルトではここまでできませんもんね。

長文失礼しました(爆)

投稿: mori-chi | 2007年7月28日 (土) 11時49分

あまり知らずに買ってしまいまして読みましたが、あまりのバカラシサにあきれました。その後いくつかググッテ見ますととんでも本ということが判明。。。
前書きには、極秘地下鉄網が小田急によって1903年に建設されたという仮説に具体的に到達できた!とあるが、読んでみても、それが仮説にすらなっていないし、本自体もその立証することを目標に書かれているとは思えない。サンシャインや寺の変電所の存在が、なぜ小田急による極秘地下鉄網建設につながるか論理的にわからない。要は、地下にまつわる、こんな逸話、不思議話、知られていない話、、、を羅列して、無理やり極秘地下網につなげたとしか思えない単なる話題取りですよね。

一番笑えたのは、開運坂の「日傘の女性」の証言。
これが地下道の存在に関する唯一の証言(地下鉄建設ではない)なのに、あくまであっさりと、数分話をしてじゃあバイバイ、「高い上品な声が響いて、事実の持つ迫力に圧倒された」、、、と。先生、圧倒されている場合じゃなくて、ジャーナリストならもっとこの証人を徹底取材すべきなのに。。。しかも向こうから声をかけて情報提供してくれるほどの便利な存在。。。まあ本当にいたのならですが。。あと北國銀行にも取材なぜしないんでしょうね。。。

投稿: てりー | 2008年11月11日 (火) 16時32分

こんにちは。読んでしまったのですね(笑)

秋庭さんは取材なんてしません。このブログの関連記事をお読みになると分かりますが、彼は図書館で本を読みあさり、自分の都合の良いところだけを盗み出しているだけです。

時折、電話取材も試みるようですが、とんちんかんな質問をして相手が戸惑っているのを、「隠している」と曲解し、政府の陰謀だと決めつけます。

これがジャーナリストなら、筑紫哲也が浮かばれません。

投稿: mori-chi | 2008年11月12日 (水) 08時29分

不思議なのは、あまりのバカラシサに、また他のを読んでみたくなるという、、これが秋葉先生の狙いかもしれないと思いつつ。。少なくともこの本は駄作中の駄作であろうと推察できます。講談社α文庫の中でも群を抜いていますね。

題名が「地下要塞」。「要塞」ですよ。それが前書きには「地下鉄網建設」の仮説に到達するのが目的であるかに摺りかえられている。そして内容は、変電所、日比谷の駐車場から推察される「地下施設」、開運坂の「地下道」、、Aの存在を証明するのに、B、Cを必死に並べ立てて(それも証明もしていないが)、Aを「立証」。最後は、俺は見たが特高警察が怖いから明らかにできない、、、(爆)。まあ一種のギャグ本ですね。電話で取材も、「いえない」と言われるのを期待している感ありますねえ。そう言わせておいて「極秘情報、隠蔽、陸軍の陰謀」。。もう職場でも一人笑いが止まらないです。。そしておっしゃるように後半は読み飛ばしました。というか読んでても何を書きたいのか全くわからない(てかそこまで読者も暇じゃない)。値段は半分でいいな。。

投稿: てりー | 2008年11月12日 (水) 09時58分

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