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2007年2月11日 (日)

【秋庭俊先生応援企画】『帝都東京・隠された地下網の秘密』がトンデモ本って、マジっすか?10 最終回

長々と続いた【秋庭俊先生応援企画】も、とりあえず、今夜が最終回である。

とりあえず?

いや、それはともかくとして、最後に、このブログの読者に考えてみてほしいことがある。

前回も書いた、「どこかにあるはずの真実」は、本当にあるのだろうか。

オイラたちは、秋庭先生の言葉に賛同する人も、批判する人も、どちらにも限らず、秋庭先生が作り出したコンセプトを一般論のように受け入れていることがあるのだ。

例えば、「改描」である。

地図が間違えていると、「改描」という言葉が脳裏に浮かぶ人、結構多いのではないか。現実とは違う。地図によって表現が違う。これは、「改描」だと。仮に、東京の地下に「隠された地下網」があったとして、それを地図の上に「改描」することは、絶対にあり得ない。普通に考えれば当たり前で、隠すべきものをわざわざ地図上に記号を配置して教えるというのは、頭隠して何とやら、である。

地図は、堂々と間違えるという話は、以前した通りである。民間の地図会社が意図的に、本来の場所や町名を隠したり、変えたりすることもある。それ以前に、地図とはそもそも、「意図」の塊であり、目的さえ達成していれば、客観的である必要などない。

でも、いつの間にか、オイラたちは、地図の間違いを、「改描」と結びつける癖をつけている。オイラのブログには、「改描」というキーワードで検索してくる人が多い。「現代 改描」なんて検索をしてくる人は、間違いなく、秋庭ワールドにハマっている人だろう。

そもそも、「地図が間違っている」→「改描だ」という結び付けをしたのは、秋庭先生に他ならない。

もう1つ例をあげれば、 「地下処理」である。

いかにもありそうな話だが、そもそも秋庭先生が『帝都東京・隠された地下網の秘密』の中でサラリと、ためらいもなく使い始めた言葉だった。秋庭先生がこの本を出す以前に、これと同じ意味で同じ言葉を使っていた人が、果たしているだろうか。この言葉自体、秋庭流に解釈されているのではないか。「改描」と同じように。

実は、「地下処理」という言葉を使わずに、似たような話を聞いたことがある。

オイラは、仕事である大型開発の担当者にお会いした。その方が話していたのは、こんなことだった。「丸い建物というのは、ディベロッパーが嫌うんです。いったん丸いものを建てると、土地に癖がついてしまう。あとで建物を取り壊して、新しい建物を建てるとき、その癖をなおさないと、四角い建物を建てることができない。だから、その分の手間を考えると、土地の価値が低くなるんです」

確かにそこには、丸いものが建とうとしていた。

ここで言う「癖」とは、いわゆる地下の話が含まれている。地下は、いったん掘ってしまうと、埋め戻すことができない。秋庭先生の言う「地下処理」とは、こういう話が元になっているものと考えられる。

戦後に東京に張り巡らされた地下鉄のルートの一部に、こういう「地下処理」が絡んでいたことは、別に珍しいことでも何でもないように思える。例えば、地下鉄千代田線の霞ヶ関駅が防空壕を取り壊してできたものだという事実が、正々堂々と千代田線の建設史に掲載されている。それをあたかも、「政府の陰謀」として描き出して、「地下処理」=「政府の陰謀」という方程式を作ったのは、秋庭先生に他ならない。でも、地上も地下も問わず、「地下処理」抜きに何かを構築できる物件など、あり得ないのだと思う。

これが、インターネットというものだろう。秋庭先生が頭の中で創り上げた用語が、ネットを一人歩きする。ネットでは、誰かから、誰かへと受け継がれていくうちに、秋庭語が、あたかも常識で語られるようになる。それは、次第に都市伝説として、リアルワールドで語り継がれるようになる。でも、何も明らかにならない。どこに「隠された地下網」があるのか、誰も知らない。「隠されている」という印象だけが、漠然と人々の中に残る。

そう考えてみて、オイラは、ふと気づいたんだ。

実は、秋庭先生は、東京の地下について、まだ何も知らずにいるということを。

取材先に気を遣って、結論が書けないわけではない。政府の機密事項だから堂々と表に出せないことが多いわけではない。秋庭先生が取材をしても、相手が真実を語らないのは、相手が悪いのではなく、秋庭先生の取材姿勢に問題がある。秋庭先生が「隠された地下」を暴露しても、それが見つからないのは、政府が隠しているのではなく、そもそも何もない。秋庭先生が「政府が隠している」と豪語した地下は、たいてい誰も隠していない。

じゃあ、秋庭先生は、何を知っているんだ?

ズバリ、オイラも妄想を。

定規で、地図に線を引っ張る。

ただ、これだけだと思うよ。地図は大判のほうがいい。適当な漢字を見つけて、あっちからこっちへと線を引っ張ってみる。駅の向いている方角も大切らしい。ホームの方角に向けて、定規で線を引っ張ると、どこかの神社仏閣や重要施設にぶつかる。カーブしている地下鉄を、カーブの手前から曲がらずにまっすぐ延ばすと、どこどこにつながる。よっし、秘密の地下鉄がここにあった!

アホみたい?

いや、マジでやっているんだよ。どことは言わないが、ある方のブログに、秋庭先生がおもむろにこうして地下網の話をしていたことが書いてあったよ。大切なのは、ここからで、図書館に籠もって、肉付けを行う。中村順平さんの都市計画図に合致しているとか、どこどこの区の戦前の地図に点線があるとか。

おそらく、まともに取材活動をすることができないほど、行き詰まっているんじゃないだろうか。

『帝都東京・地下の謎86』(洋泉社)では、こんなことを告白している。

年末になって先の本の続編が出た頃には、もう、専門家の方々にお会いするのも、ままならなくなっていた。(P214)

秋庭先生が、「公安委員会」と「公安調査庁」との違いが分からなくなっていることにも驚愕したが、上記の言葉は、建築の世界が古くさいのではなく、秋庭先生の恐ろしいほどの独善的な書きっぷりに、専門家たちが完全にビビってしまっていたことを示している。怖くて、取材など受けられないのだ。間違って、自分が、ありもしない地下の秘密を隠しているとでも思われたら、目も当てられないから。

最後に、「応援企画」なのだから、それらしく、応援して最後を締めくくりたい。

「トンデモ本」だから、もう真偽は問わなくていいのだと思う。地図と定規で政府の陰謀を暴くなら、それで良い。オカルトは、オカルトらしく、自由奔放に創造力を駆使すればいいのだよ。最近、秋庭先生の消息が不明だから、秋庭先生のファンは、みんな心配していると思う。でも、もう心配いらない。もう、秋庭先生の書籍は、真偽を問うことに意味がなくなったのだから。正しいかどうかを横において、おもしろければそれでいい。開き直ればいいじゃないか。

UFO、心霊、宇宙人、そして、隠された地下網…。

オカルトに新たなジャンルを構築した秋庭俊先生を、オイラは、これからも、心から応援したいと思う。

(おわり)

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コメント

秋葉氏の主張が正しいかどうかは
地下構造物について、その有無を「超音波を使った
非破壊検査」をしてみればわかります。

 これは私の経験ですが「横浜球場の近くの大通り」を
ステッキでつついてみてみたら
 「どうも下にトンネルがありそうな空洞らしき反響」が
響いてきました。

 実際問題として「地下に何かの構造物がある」という
ことを立証するのは「非破壊検査」でもしてみないとわかり
ません。

 客観的な証拠としては「アメリカ・戦略爆撃団調査報告書」
に「日本の地下軍事施設」の図面が掲載されていますので
同報告書を国会図書館で閲覧すればすぐにわかります。

 秋庭氏が著作「帝都東京・隠された地下網の謎」で
「淺川地下工場」の図を同報告書から引用しています。

 GHQが戦後日本を占領していたことは客観的な事実ですので
秋庭氏が指摘するような「地下鉄網」が事実、存在するなら
「戦略爆撃団調査報告書」にも、当然、記述や図面(路線図)
があるでしょう。

 ただ、秋庭氏は著書「帝都東京・隠された地下網の謎」では
「アメリカ戦略爆撃団調査報告書」を引用文献に記載していません。これは記載漏れなのか、それとも何らかの理由があって
「意図して掲載していない」のかはわかりません。

 私としては「戦後、在日米軍が日本の地下に何を作っているか」がほとんど明らかにされないことは、非常に問題だと思います。

投稿: 通りすがり | 2007年3月18日 (日) 17時21分

おもしろい話をありがとうございます。

私見を言わせていただきますと、「超音波を使った非破壊検査」をしても、隠された地下網があるかどうかは分からないと思います。地下構造物=隠された地下網ではないからです。地下の空間があることは分かっても、その目的までは分かりません。もちろん、ステッキでつついても、同じ事です。下水道かもしれないし、共同溝かもしれません。

アメリカの戦略爆撃団調査報告書ですが、これは、「米国戦略爆撃調査団 空襲損害評価報告書」のことでしょうか。全部英語ですよね。
たぶん、地下網の事実は書かれていないと思います。理由は、大々的に公表されている有名な文書ですから、とっくの昔に、秋庭さん以前に誰かが見つけているはずです。国立国会図書館に所蔵があるらしいです。読んでみたいけど、英語はとんとダメなんですよね~(笑)

投稿: mori-chi | 2007年3月18日 (日) 17時47分

お返事ありがとうございます。
やっぱり「在日米軍・隠された地下網の秘密」のほうが
面白そうですね。
軍人というものは「最悪の事態を考えて備える」ものです
から、
少なくとも、在日米軍の軍事行動を支えるための

「自前の貯油施設」(ジェット燃料・船舶用重油)
「自前の発電所」(「原潜の原子炉を流用した小型原発」)
「自前の浄水・汚水処理施設」

は最低、「ああー、日本のどこかにー」(唄)あると考えています。
あと、「パイプライン」もあるでしょう。
それがありそうな箇所を地図を片手に研究するのも
「オツ」なものかと。
秋庭先生のご本の内容は、自分で「現地確認」してみますが
少なくとも「地図を見て、その下に何があるだろうかを推理する
脳の力」はついたので、よしんば秋庭先生のご本の中身が
「豚でも」だったとしても
「在日米軍・隠された地下網の秘密」くらいは書けそうです。

蛇足:アメリカ軍が「ベトナム戦争」の従軍を認めて、日本の
お茶の間に戦場の映像をガンガン流させたり
「日米安保条約」で日本中があれほど大騒ぎしたのも

 実はいわゆる「陽動作戦」で、

 「市民の目がベトナム戦争・安保闘争に向いている間に
 在日米軍が日本の地下で何か施設を作るため」

だったかもしれません。

 「孫子の兵法」、おもしろいですね。。。

投稿: 通りすがり | 2007年3月18日 (日) 20時53分

どうもです。

アメリカ軍は、自分たちの出したごみを、日本の清掃工場で処理しているわけではないですもんね。でも、米軍基地に煙突が立っているのを、オイラは見たことがありません。有害物質をわざわざ本国に空輸しているとも思えませんから、あんたたち、いったいどこに埋めてるのって素朴な疑問、ありますよね。

ちなみに、横田基地のばやい、燃料は、京浜工業地帯から貨物で輸送しているようです。ベトナム戦争時代は、南武線を輸送貨物がひっきりなしに往復したそうです。一つ言えるのは、米軍は、基地内にはないものを、案外日本国内で手に入れています。他人の国で何やってるんだって思うのですが、そこが日本という従属国なのでしょう。

地下には?

何があるんでしょうね。何が出てくるか、楽しみです。

投稿: mori-chi | 2007年3月18日 (日) 21時15分

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