あれは確か、「不二家」のレストランに違いないと思うんだけど、記憶が定かではないんだよね。
今日、昼間、銀座近辺をブラブラしていて、お腹が空いたので、ランチを食べようとお店を物色した。が、あいにく、平日のお昼時とあって、どこも満員。オイラは、並ぶのが苦手な人間なので、どこか空いている場所はないかとウロウロした。
数寄屋橋の交差点を通りかかったとき、不二家を見つけた。1階の店舗は、例の不祥事で閉店中。シャッターが閉まっている。シャッターには、「お詫び」の文書が貼られていた。新聞で、このチラシを眺める人たちの写真を見た覚えがある。よく読むと、レストランは通常営業をしていることが分かった。
この店舗の2階がレストラン。よっしゃ、ここでお昼を食べようと、階段を上った。
ん?チャレンジャーっすか? だって、不正があったのはシュークリームで、レストランの食材とは関係ないもんね。ただ、今日の会見では、社長が「組織の体質」みたいなことをおっしゃっていたので、果たしてどうなんだか。
案の定、店内はガラガラ。お昼時真っ直中なのに、客がまばらである。
オイラは、ハンバーグステーキランチを頼んだ。とろける半熟玉子がのっかっているし、フライドポテトが山のように積まれていて、崩れそう。もちろん、ハンバーグは、フォークで切ると、中がとろりとしていて、肉汁たっぷり。美味しいね。まあ、当たり前だよね。
従業員さんは、とてもしっかりした応対をするし、礼儀正しい。あんな事件がなければ、そこいらのファミレスよりはるかに評価が高いんだろうけど。
食べながら、オイラは、少しデジャブを感じた。
不二家のレストラン、昔、子どもの頃に、母といっしょに食べに来た覚えがあるんだ。
その日、オイラと母は、近鉄特急で鳥羽に向かっていた。宿に着いて、のんびりして、母が自宅に電話すると、自宅が火事で消防車が何台も来たという話を聞いた。驚く母。宿に事情を話して、急遽、夕方の近鉄特急で逆戻り。夜遅く、名古屋駅に着いて、結局、ぼやで済んだこと、火元は隣の住宅建設の火花だと分かった。
けが人もいないし、燃えた箇所もほんの少しだから、母は、ご飯を食べて帰ろうと言った。
その日、オイラは、初めて、不二家のレストランに入ったような気がする。だって、入口にペコちゃん、いたもの。
気のせいかな。
「何でも食べていいから」
やけに母が優しく微笑んでいた。ぼやなのに、大丈夫なのかなーって、オイラなりに心配していたのだけど、母はやけに余裕だったな。
そのとき、オイラは、ビフテキを頼んだ気がする。
店内には、同じような家族連れがたくさんいた。暖かくて、いい臭いがして、みんな幸せそうに微笑んでたような気がした。
今日、ハンバーグにかぶりつきながら、ふと思い出していた。
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