『大東京の地下99の謎』(秋庭俊著、二見文庫)を読む4
『大東京の地下99の謎』を読み解く第4弾。
いい加減、飽きたかな?(笑)
PART4 地下鉄「駅」の謎
80 銀座線の渋谷駅が地下鉄で最高所にあるのは、なぜ?
私は、この部分を建設した東京高速鉄道という会社が、地下鉄の認可をもっていなかったからだと思っている。(P189)
「地下鉄の認可」というのは、ない。東京高速鉄道は、この渋谷駅を、何の認可でつくったと思っているの?
82 後楽園駅の地下5階、巨大な柱、太い柱林立の謎
開業時には電車が着くたびに悲鳴が聞こえ、けが人も出たらしい。その多くは女子中学生で、おしゃべりに夢中になり前方不注意で柱にぶつかったらしい。しかし、撤去されることなく現在も地下5階に立っている。(P193)
この文章のポイントは、3つある。「女子中学生」「おしゃべり」「撤去」。
1つ。女子中学生に失礼。
2つ。談笑しながら柱に激突する女子中学生…、どうなの?
3つ。撤去してはいかんでしょ。
83 赤坂見附駅のホームは、なぜ二段重ね?
営団は、戦前、四谷・赤坂見附間の工事に着手している。鉄板1枚打ち込んだだけという事実は、どの資料にも記載がない。この区間は、銀座線以外で戦前に地下鉄の建設工事が行われた形跡のある唯一の場所だが、秋庭さんは、詳しく調べようとしないで、最初の本から7年が過ぎても、「おかしい」「変だ」と騒いでいるだけである。真実が明らかにされて困るのは、秋庭さんだということである。
86 いまも残る閉鎖された地下鉄「萬世橋駅」の謎
浅草駅から銀座線の先頭車に乗って前方を見ていると神田駅の手前で線路がふたつに分かれるのを見ることができる。(P203)
これが見えた人、かなりやばい。
87 地下鉄駅につけられた「ナンバリング」とは?
どうしてこうなったのかは明らかになっていない。(P206)
「私は知らない」と「明らかになっていない」の区別をつけよ。
88 ホームを新設した銀座線「日本橋駅」の謎
新橋駅には東京高速鉄道がつくった新橋駅の空間があった。(P207)
東京高速鉄道がつくった旧新橋駅と、現在の新橋駅の拡張されたホームは、場所がまったく違う。従って、1対1で、引き分け。日本橋駅の仮説は、成立せず。
90 東京の地下鉄で乗り換え距離が最長の駅はどこ?
最短距離を測ったり計算したりしたデータは残念ながらない。(P210)
あんたが立てたタイトルやん。
PART5 地下鉄「路線」の謎
93 南北線の後楽園〜東大前間のフシギな「扉」の謎
取材を1度もせずに、想像だけ7年間続けるのは、かなり根気が必要だ。
94 大江戸線の原点は海のなかを走る道路だった?
市区改正計画には、海の中を走る道路なんて書いていない。
秋庭さんは、どうして道路が海の中を走っていると勘違いしたのか。これは、彼が愛読している『近代日本建築学発達史』が、市区改正計画の図を掲載する際に、白黒で、しかも、かなり省略した図に改変しているからだ。それは、どこにどんな道路が走っているかは、この本の主題ではないからだ。市区改正計画の原典を見ると、海の中を走っているわけではなくて、月島周辺に当時、東京港を建設する計画があり、当時海だったこの場所を埋め立てて、その真ん中に幹線道路を建設する計画だったことが分かる。
95 地下鉄丸ノ内線「200ヤード」カーブの秘密
200ヤードのカーブが、丸ノ内線が戦前からつくられていたという証拠にはならないって記事
98 地下鉄工事にかかる莫大な費用の謎
路線図を見ていると、どうして道路の下を走らないのかわからない場所がたくさんあるのに気づく。そこで不正が行われていないことを、私は願う。(P231)
そこで、不正を暴くのがジャーナリスト。戦前からあったと妄想するのは、オカルト。
読了。
それにしても、ひどい本だなあ。集大成? いやはや、すごいね。
結局、99もの謎を並べてみても、彼が暴いた地下の真実は、1つもなかった。
おかしいなと思うのは、これまで彼が胸をはって発言してきた地下の秘密の中で、まったくふれられていないネタがあるということだ。赤坂見附駅が浸水した真相は? 環状3号線は国民に隠されているんじゃないの? サンシャインシティから豊島区役所へは一直線に洞道がのびているんじゃないの? 新宿プリンスホテルの地下駐車場は? 築地川駐車場は政府専用ではないの? 1ー8計画はどうなったの? 都営浅草線は戦前からあったんじゃないの?
秋庭さんが、「集大成」の本から、これらのネタをはぶいたのはなぜか?
100個目の謎は、そこである。
(関連記事)
東京の地下鉄は戦前にすでに作られていたという噂は本当か?
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『新説東京地下要塞-隠された巨大地下ネットワークの真実-』を読む
『写真と地図で読む!帝都東京・地下の秘密』(洋泉社MOOK)を読んでみた。
『大東京の地下99の謎』(秋庭俊著、二見文庫)を読む
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コメント
私、もこの本を読みましたが、表紙の写真を見て「あれ?」
と思いました。お気づきかとは思いますが、表紙の写真は
地下鉄「萬世橋駅」ではなく、中央線「萬世橋駅」なんです。
写真の雰囲気からいって昨年交通博物館が閉館になる際に
開催された、旧萬世橋駅遺構特別公開の写真と思われます。
JR東日本からそのうち文句が行くかなと思っていますが。
これでこの本の内容がどの程度のものかよく分かりました。
投稿: 萬世橋 | 2007年2月19日 (月) 23時44分
どうもです。
そうですよね。あの写真は、間違いなく、「地上」の万世橋駅です。きっと、秋庭さん的には大発見だし、あの扉の先に、秘密の地下駅があるんだと思いこんでいることでしょう。つくづく、幸せな人だなあと、うらやましくなる今日この頃です。
ちなみに、あの写真を撮影した人の名前も記されています。内山英明さんだそうです。この方は、地下の写真を中心に写しているプロのカメラマンです。そんな権威のある方が、どうして、こんなオカルト本に、しかも、地下でもない写真を地下であるかのように掲載することを許してしまったのか。
投稿: mori-chi | 2007年2月20日 (火) 00時11分
内山英明氏は「帝都東京・隠された地下網の秘密[2]」洋泉社版から、表紙写真を提供されていますね。
ネットを徘徊していたある日、
秋庭氏が内山氏の“JAPAN UNDERGROUND”に寄稿したか、キャプションを付けたことがあるとか、
の噂にかすったことがあります(何か、噂真のハシラの一行噂みたいだね)。
“JAPAN UNDERGROUND”と“JAPAN UNDERGROUND[2]”に寄稿文やキャプションと思しきもの無かった様に思いますが。写真しか見てなかったので、有ったとしても気が付かなかったのかも?
陸壱玖拝
投稿: 陸壱玖 | 2007年2月20日 (火) 21時24分
『地下網』文庫版は、幻の新橋駅ホーム。『地下網2』文庫版は、大江戸線六本木駅。そして、『謎99』は、どういうわけか、地上の萬世橋駅。でも、キャプションは、「今も残る閉鎖された地下鉄『萬世端駅』」とある。どうして、こんな錯誤が生じてしまったのか。いかにも秋庭さんらしいけど、内山さんらしくないです。
投稿: mori-chi | 2007年2月20日 (火) 22時17分
二見書房にメールで突っ込み入れてみました。
翌日に
ご指摘の件につき、著者に確認をとらせていただきます。
ご連絡ありがとうございました。
と、連絡があったけどそのあと音沙汰なし。
(まぁ、そんなモンでしょう)
投稿: 萬世橋 | 2007年2月20日 (火) 23時14分
私も、
平成18年12月10日メールで二見に突っ込みを入れてみました。
>「大東京の地下99の謎」に関しましては、青木栄一氏監修 日本実業出版社編
>「読む・知る・愉しむ東京の地下鉄がわかる事典」より秋庭氏、並びに貴社が、記述
>の盗用を為されているのではないかとの疑念をもっております。
私の場合は、未だに何の音沙汰もありません。
(まぁ、そんなモンです。)
投稿: 陸壱玖 | 2007年2月20日 (火) 23時59分
どもども。
「確認をとらせていただきます」と言うことは、二見書房の編集は、あの写真が「地上」という事実に気づいていなかったということになりますね。確認の結果がどうだったのか、気になるところです。盗用については、著者か出版社側が動かないと、反応することはないでしょう。反応したら負けですから。
(まぁ、そんなモンか)
投稿: mori-chi | 2007年2月21日 (水) 13時28分
秋庭氏関連のエントリを一気に読みました。
たぶん、このブログは趣味の範囲でやられていることだと思います。趣味の人に、いみじくも職業で書籍を著している人間が理論で負けてはいけないと思います。実際に存在するものを提示して個々人の判断を仰ぐのが自由な言論だと思いますが、彼の本にはまず思想があり、それを補完するデータを並べているとしか思えません。大体の庶民には、建築や都市構造に関する知識がありません。証拠らしいものを並べられて「こうなっているのです」と言われれば、そうですかとしか言えません。彼が本で書いているように「地面を掘り返すわけにはいかない」からです。
結局のところ何を言っても完全な検証が不可能な分野(心霊・占い・宗教・地球外生命体の存在などなど)には、こういった利権がたくさんあります。彼は地下の利権を批判していましたが、地下を利用して儲けているという点では同じことです。
これほどまでに明快な反論を見たのは初めてのことです。無料のブログで読めたということもすばらしいことです。さらにたくさんの人々から有効な反論があることを願ってやみません。
ちなみに、サンシャインシティの件では、多少事情を知っている一般市民であれば、彼が到達したところぐらいまでは誰でも行くことができることがわかっています。彼の本を読んで興味を持った、ごくごく普通の人々が「地下深くにある鉄扉の前」を訪れては感慨深い顔をしているということです。彼らの脳内には鉄扉の向こうに20m道路が見えるのかもしれませんが、おそらくそんなものは無いでしょう。中にはケータイのカメラで「極秘の地下施設」を撮影して、ブログにアップしている人もいます。極秘エリアにボタン一つでアクセスできるというのはありえない話だと思います。もし行けるのだとしたら、それはバックヤードに過ぎないということでしょう。アレだけの広大な施設なら、バックヤードもかなり広いでしょうし、バックヤードだから知らせる必要も無いということではないでしょうか。
傑作だったのは、地域冷暖房会社のサイトに、中学生の企業訪問を受け付けたとあり、中学生が極秘のはずの冷凍機の前で記念撮影をしている画像がアップされていることです。確かにB3やB4に冷凍機はあるのでしょうし、かなり大型であろうことは想像できますが、国家機密施設が中学生の社会科見学を受け入れるとは思えません。もしかしたら、正式に地域冷暖房会社に取材要請すればほとんどすべてを見学させてくれたのかもしれません。そう考えると彼の半年の努力とは一体なんだったのだろうと・・・。
長文を失礼しました。ただただ感動をお伝えしたくて。
投稿: RC212V | 2010年8月18日 (水) 05時48分
こんにちわ。
すっかり放置プレイにしているブログにようこそお越しくださいました。有料で売れますかね。秋庭先生がもっと頑張ってくれたら、本にでもしてやろうかと思いましたが、最近、すっかり行方不明。自分だけ儲けて、お隠れになるのは、ずるいなーと思ったりしています(笑)おほめいただきありがとうです。
投稿: mori-chi | 2010年8月19日 (木) 11時02分