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2006年6月22日 (木)

『新説東京地下要塞-隠された巨大地下ネットワークの真実-』(秋庭俊著)を読む2

国の直轄事業負担金という理不尽な負担金がある。国が、幹線国道や大規模な港、河川などの公共事業を国が直轄して行うとき、その費用の一部を都道府県や区市町村が負担する、これが直轄事業負担金である。この負担金が、地方自治体の財政を苦しめていて、事業によっては、全体の半分がこの負担金で占められるようなケースもある。

さらに、この直轄事業負担金は、予算段階での試算が、年度末に狂うことが多く、地方自治体が年度当初に来んだ予算を、年度末にはるかに越えてしまうこともあるという。でも、国の直轄事業だから、地方が文句を言ったり、支払いを拒否することができない。そんなこともあり、地方自治体では、国の直轄事業負担金の見直しを政府に求めている。

道路特定財源というお金をご存知だろうか。国の三位一体改革でも話題になったので、名前だけは知っているという方は多いかもしれない。読んで字のごとく、道路という特定の目的に使用される財源である。昭和28年に議員立法で提出、制定された「道路整備費財源臨時措置法」が始まりで、最近は鉄道との立体交差や電線地中化、渋滞情報などの道路周辺にも使途が拡大されている。

ちなみに、地下鉄13号線の池袋・渋谷間は、道路特定財源を使って整備された最初の地下鉄である。

ここまで読んだ上で、『新説東京地下要塞』の第三章を読んでいただきたい。

通常、地方自治体は国の直轄事業に金を出すことはない(P88)

まず、ここで大間違いを犯している。上を読めば分かると思う。

秋庭さんは、東京都議会の議事録を引用して、都が、地下鉄13号線の整備と平行して、国民には隠された地下街路を建設していると主張している。

この事業の担当は、道路計画担当部長である。できあがるインフラは、道路の一部だということである。だが、道路の一部というのは、何のことなのだろう。道路とどこが違うのだろうか。道路計画部長の発言に丸め込まれてはいけない。地下鉄13号線は国の直轄事業だから、駅舎やトンネルなど、地下鉄に関連するものは国が建設している。東京都の街路事業で整備されるのは、その「躯体等インフラ部」というものである。(P88)

都議会で質問をしている河野さんも、そこを気にしていて質問している。前年度まで13号線の担当は都市計画局だったが、この年度から建設局に変わっているからだ。

これについて、道路計画担当部長は、こう説明している。

「街路事業として進めることになった経緯であります。平成14年11月、内閣総理大臣が議長を務める経済財政諮問会議、この会議が、環境問題の解決や都市交通への活用等に向けた道路特定財源の使途拡大の答申を行い、これを受けて、政府・与党の合意を経て閣議決定がされたものでございます。これを受けまして、地下鉄13号線につきましては、平成15年度から、駅舎及びトンネルの躯体部分、これらを道路特定財源により整備することになったものでございます」

つまり、前年度までは純粋に鉄道事業として、都市計画局が担当していたけれど、この年度から、道路特定財源を投入することが決まったため、道路整備の担当である建設局が街路事業として整備することになったというわけである。

ところが、秋庭さんは、この本の中でこの説明をばっさりと切ってしまった。この部分を聞いた河野さんの質問もばっさりと略された。その上で、道路計画担当部長が答弁しているのだから、作るのは道路であるとおっしゃっている。これは、上のような経緯を読めば、誤解だと分かる。秋庭さんは、この議事録の全文を読んでいるはずである。

東京都の道路管理部が、道路以外の何を管理するというのだろう。(P90)

これも読み違いで、道路管理部長が答弁しているのは、13号線のインフラ部分は、都がお金を出しているから、都の財産である、でも、完成後の管理については、東京メトロにやってもらうと、こういうことである。東京メトロの地下鉄が走るのだから、都が管理する必要なんてない。管理するのは、東京メトロである。

地下鉄東西線の建設記録にある明治通りの「都市計画街路」から、このような想像をしてらっしゃるのだろうが、この87ページの図を見る限り、点線で四角が描かれており、これがその当時「計画」だったことが分かる。明治通りには、その後現在まで地下街路が建設されたことはなく、秋庭さんの悪い癖だが、計画を現実と混同しているだけである。

まして、都議会の議事録を肝心な部分だけ省略して引用して、都が国民には秘密で地下道を建設しているなんて書くのは、何か意図があるとしか思えない。この議事録をいくら読んでも、都が明治通りに地下道を造っているという結論は出せない。

それに、河野さんに失礼だ。

河野ゆりえさんは、江戸川区選出の共産党の都議会議員で、現在2期目。共産党の中では若手だが、優秀な議員である。ありもしない地下探しに議事録を使われたのでは、河野さんに対して、失礼ではないか。そもそも、河野さんに掲載許可をとったのだろうか。

河野さんは、この議事録にある、2004年3月5日の都議会建設・住宅委員会で、国の直轄事業負担金の矛盾をつき、都が予算から大幅に上回る負担金を出していることに疑問を投げかけている。その見事な論戦が、この抜粋では、まるで地下網の秘密を見逃しているように読めてしまう。

名誉回復のためにも、当日の河野さんの論戦を、下記に全文掲載したい。読んでいただければ、そこに都が都民に内緒で作った地下道などないことがお分かりになるだろう。

2004年3月5日都議会建設・住宅委員会(東京都議会議事録より引用)

◯河野委員 百五十四号議案、平成十五年度補正予算案の街路整備費と直轄事業負担金についてお伺いいたします。
 初めに、道路橋梁費、地下鉄十三号線のインフラ整備委託についてお伺いいたします。
 今年度、平成十五年度から、これまで都市計画局が担当していた営団地下鉄十三号線の建設工事が建設局担当になったとのことですが、新しい変更なので、確認の意味も含めてお伺いいたします。
 まず、この経過についてのご説明をお願いいたします。

◯阿部道路計画担当部長 街路事業として進めることになってきた経緯でございます。
 平成十四年十一月、内閣総理大臣が議長を務める経済財政諮問会議、この会議が、環境問題の解決や都市交通への活用等に向けた道路特定財源の使途拡大の答申を行い、これを受けて、政府・与党の合意を経て閣議決定がされたものでございます。
 これを受けまして、地下鉄十三号線につきましては、平成十五年度から、駅舎及びトンネルの躯体部分、これらを道路特定財源により整備することになったものでございます。

◯河野委員 それでは、事業の仕組み、それから今回新しいスタートになるわけですが、東京都の財源負担分についてはどういうふうな状況になりますか。

◯阿部道路計画担当部長 事業の仕組みにつきましては、駅舎及びトンネルの躯体等インフラ部を道路の一部として国の補助を受け、道路管理者である東京都が整備するものでございます。
 なお、都の財政負担につきましては、従前の地下高速鉄道整備事業費補助制度、これにより整備をした場合を上限といたしまして、同じ負担額となっております。
 十三号線の整備につきましては、道路特定財源といった安定した財源を投入するということによりまして、従来と比較いたしまして、着実に事業の推進が図られることになったと考えております。

◯河野委員 国からの財源は、道路特定財源と。東京都の負担としては一般財源ということになると思うんですが、都民の貴重な税での工事ということに照らしまして、新たな制度のスタートに当たって、東京都として、コスト縮減に向けた工法や経費縮減の見直しなど求められると考えるんですが、この点ではいかがでしょうか。

◯阿部道路計画担当部長 営団は、本年四月から株式会社になるということですが、これに伴いまして、より一層の経費節減や業務の見直し等によりまして、財務体質の強化には取り組んでいるところでございますけれども、東京都におきましても、公共事業であるということを踏まえまして、公正性、透明性の確保を含めまして、コスト縮減を指導しているところでございます。

◯河野委員 もう一点お伺いしておきます。
 建設局が、営団地下鉄、今度、東京地下鉄株式会社、東京メトロといっているみたいですが、民営化になるということで、今、工事を委託するインフラ部分などについて、その所有権についてはどういうふうになるんでしょうか。
 それから、開業後の維持管理費も含めて、東京メトロ、そして東京都の負担、役割分担などについて、今は営団ですけれども、この営団とその責任、役割分担についての責任を、どういうふうになるか教えてください。

◯須々木道路管理部長 今度整備いたしますインフラ部分のものでございますけれども、東京都のものとなります。それで、帝都高速度交通営団との間で基本協定を締結しておりまして、完成後のインフラ部分につきましては、この協定に基づきまして営団が管理いたします。
 詳細につきましては、別途、道路管理者との間で管理協定を締結いたしまして、適正な管理が実行されるようにしてまいりたいと思っております。

◯河野委員 国の道路特定財源というのは、聞きますと、今回の揮発油税ということでお聞きしたんですが、三兆四千億円という大きな金額で、そのうち東京都に五%から六%の比率で配分されてくると。今年度は十三号線に百五十六億円が使われると。私は大変大きな財源だと思っているんですけれども、この財源がどう使われるかということに都民は注目をしております。
 今回、地下鉄などにも緩和されて使途が拡大されたわけですけれども、私たちは今後、この財源がどのように使われるかということ、こういう問題にもしっかりと関心を払っていくことをこの機会に述べておきたいと思います。
 次に、国の直轄事業負担金について質問いたします。
 今年度も、国直轄事業負担金の補正予算は約二百十億円ということで、建設局の一般会計補正予算の三五%を超える大きな金額です。
 まずお伺いしたいのは、過去五年の予算額ですね。補正分も含めて、予算額と、それから決算額がどうだったか、推移をお示しいただきたいと思います。

◯町総務部長 過去五年分の直轄事業負担金の補正後の予算額と決算額をお答えいたします。
 まず、平成十年度でございますけれども、補正後予算額は三百九十六億円、決算額は四百四十六億円でございます。十一年度は、補正後予算額二百七十七億円、決算額四百五十九億円、十二年度は補正後予算額四百十億円、決算額四百九十二億円、十三年度は補正後予算額四百二十二億円、決算額五百三十五億円、十四年度は補正後予算額四百五十億円、決算額四百六十四億円でございます。

◯河野委員 それでは、今年度、平成十五年度についてはどういう状況ですか。
 それから、もう一点お伺いしたいのは、今お示しいただきました数字では、毎年度の予算額と決算額にかなりの差がありますけれども、これはどうしてそうなるのか。そして、その不足額についてはどのように対応されているのか、お聞かせください。

◯町総務部長 平成十五年度の直轄事業負担金の当初予算額は百六十七億円、今回の補正後予算額は三百七十七億円でございまして、十四年度からの繰越額百億円を加えますと、四百七十七億円となります。支払い予定額は五百九十六億円でございまして、この間に差額百十九億円がございますが、これにつきましては、既定予算からの流用で充当いたします。
 なぜこういう差が生じるかということでございますけれども、直轄事業負担金につきましては、都の予算編成が行われる段階で、国の金額の把握が困難でございまして、翌年度の五月ごろになってから金額が示されてくるということで、金額の把握がおくれるためにこういう状態が生じております。

◯河野委員 今、既定予算の中での不用額の流用によって、トータルして、それも合わせて国に負担金を支払っているということでしたけれども、この予算の流用について、地方自治法、あるいは東京都の予算事務規則などはどのように定めているのでしょうか。
 伺いますと、今計算しただけでも、十四年度でも百億円を超えるとか、十三年度も百十二億円、こういう金額ですけれども、多額の予算流用が財政上行われている、その根拠についてご説明をお願いしたいと思います。

◯町総務部長 流用に関します法律、条例の規則の取り扱いでございますけれども、まず、地方自治法におきましては、第二百二十条第二項におきまして、「歳出予算の経費の金額は、各款の間又は各項の間において相互にこれを流用することができない。」というふうに定めておりますけれども、目、節については禁止規定がございません。
 こういう規定を受けまして、東京都予算事務規則におきましては、第二十条第一項で、目間流用、または節間流用の原則の禁止をうたっているところでございますけれども、あわせて、同条第二項におきまして、「前項の規定にかかわらず、局長は、歳出予算の執行上やむを得ない場合に限り、財務局長に協議のうえ、各目の間または各節の間において相互にこれを流用することができる。」という規定になってございます。直轄事業負担金につきましては、この規定に基づきまして、適正な手続を経て流用を行っております。

◯河野委員 今ご説明があったように、予算の流用については、自治法などでも厳しく定めがあると思います。款と項についてはできないというお答えだったんですけれども、款と項について予算流用する場合は、議会の議決が必要になってきますよね。
 しかし、目と節は執行科目ということで、予算執行上やむを得ない場合というご説明がありましたが、この場合には、議会の議決がなくても流用ができるということに定めがなっているということで、私はここで考えたいと思うんです。
 毎年度、振り返って、五年間、予算、決算の額を出していただきましたけど、例えば、十年度でいえば五十億円流用され、平成十一年度で見れば百八十二億円の差があります。こういう毎年度五十億とか百何十億とかいうような多額な流用が行われていることが、果たしてやむを得ない場合ということに当てはまるのかどうか、これが私は大変疑問です。
 国との関係では、直轄事業負担金の最終額が決定する時期がおくれるというご説明でしたけれども、せめてこの補正予算を組む時期に国に払う負担金の実態に近い予算額を計上することはできないのかどうか、これを考えるんです。
 これまでの状況を見ますと、議会の議決を求めるときは小さな予算額、そしてその後、予算の流用で、国からいわれている金額まで膨らませることができる。繰り返しになりますけれども、目と節の流用は議会の議決が要らないから、かなり大きな増額でも、これは通ってしまっております。
 議会に示された予算額を大きく超える流用がされており、そして、過去何年もこの状態が続いております。これは、編成された予算に基づいて施策を執行するという予算主義の立場から見ても反しているのではないかと、私は率直に考えますけれども、東京都の見解、これはいかがお考えか、お聞かせください。

◯町総務部長 直轄事業負担金は、法令により支出が義務づけられている経費でございまして、その支払い予定額が当初予算を上回った場合、現在、そういう状況で推移しているわけですけれども、これはやむを得ない理由に該当するものでございます。
 今回の補正予算の編成に際しましては、まず、コスト縮減や契約差金などにより発生した不用額を充当いたしまして、その上で、不足する額について補正予算として計上したものでございます。
 また、予算主義の原則に照らしてどうかというお話でございますが、我々執行機関は、議会の議決に基づいて業務を執行する役割を担っております。予算についての議決は、先ほどもお話ございましたが、款、項にかかわるものでございまして、地方自治法第二百二十条第二項においても、款、項における流用は禁止されております。
 しかし、執行科目である目、節につきましては、執行機関が予算編成後の状況の変化に即応して流用することが認められております。また、各目ごとに流用した金額につきましても、決算として議会に報告をし、承認をいただくことになっております。
 以上のような制度で認められている流用でございますけれども、やむを得ず行うものに限っていくというようなことで、適切に運用をしているところでございます。

◯河野委員 今、お答えはいただいたんですけれども、やむを得ない場合というのは、やっぱりやむを得ない場合で、この年度やむを得ないということであればわかるんですが、ずっとさかのぼっていって、何年も何年もこういうやむを得ない場合が続くのかというのが、私は疑問なんです。
 これまで当然のようにこの方法で国直轄事業負担金を東京都が国に納めてきています。私も予算の流用について調べてみましたが、「地方財務実務辞典」というものによれば、余りにみだりに乱用されることは望ましいとはいえないとあります。それから、ある自治法の解説書には、自治法の精神に照らして、目、節の間でも流用については適正を期する要があるとされております。また、別の文献では、目、節といえども、議決予算の内容を構成するものであり、これをいたずらに変更することは、予算それ自体を混乱させることにもなるので、目、節についても流用禁止を原則としながら、歳出予算の執行上やむを得ない場合に限り、各目、各節間において相互に流用することができることとしているというふうに述べられているんですね。
 私は、ずっと長年、こういう予算の流用ということで国への直轄事業負担金を都が納めてきている、このあり方について、今、やっぱり改善する、そういう方向に進むべきではないかと考えているんですが、お考えがあったらお聞かせいただきたいと思います。

◯町総務部長 直轄事業負担金の予算計上の方法についてでございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、直轄事業負担金の当初予算を計上する場合につきましては、国から翌年度負担額が明示されていないため、国事業の動向や都の予算見積もり方針など、その時点で総合的に勘案して見積もりをしているところでございます。
 厳しい財政状況の中で、当初予算におきまして直轄事業負担金を大幅に増額をしていくというお話でございますけれども、こういう形をとりました場合には、都民生活に密着する他の事業を圧迫することにもなりかねない点がありまして、困難と考えております。

◯河野委員 この問題で申し上げますけれども、都はこの何年も財政が厳しいということで、都民施策、いろいろな見直しということを名目にして、施策の後退をさせてきていますが、国の直轄事業負担金については、多額の不用額の流用ということでお金が回されております。
  この五年間だけでも五百数十億円、約六百億円に近いお金になっております。私は、これは改めていかなければならない問題の一つと考えますし、予算の流用について適正を期するために東京都として規範化の方針を持つ必要があるということを、この予算流用の問題では意見として申し上げておきます。
 次にお伺いいたします。
 国直轄負担金の起債、これがどのような状況にあるのか、過去十年の数字でお示しください。

◯町総務部長 平成六年度から十五年度までの十年間の総額で申し上げさせていただきますけれども、直轄事業負担金の総額は四千百二十三億円でございまして、起債充当総額は二千五百七十五億円、充当率は六二%でございます。

◯河野委員 これは六二%起債ということで、計算はしておりませんが、利子払いだけでも大変な金額になると思います。きょうは詳細はお聞きしませんけれど、結局、都債の積み増しということで、都財政を圧迫する一因になっていると判断をしております。
 次の質問です。
 国直轄事業負担金、これはどのような事業に充てられておりますか。

◯町総務部長 平成十五年度の直轄事業負担金の対象となる事業でございますが、道路では、圏央道や甲州街道の整備、河川では、荒川や多摩川の護岸整備、公園では、東京臨海広域防災公園の整備などでございます。

◯河野委員 伺いますと、道路などは、大型の骨格幹線道路というんですか、そういうものだと思うんですが、特に圏央道についていえば、高尾山の自然を守りたいという関係住民の方を初め広範な都民から疑問の声が強い道路ともなっております。
 私たちに都民から寄せられる要望は、例えば、中小河川の整備であるとか、区部周辺の区画整理など、生活密着型の公共事業にもっとお金を使ってほしいというものです。特に、区部周辺の区画整理などは、生活の場に直接かかわる公共事業であることから、関係住民の強い要望があり、事業の進捗のための予算の抜本的な増額を一貫して求めております。木造密集地域の区画整理は、戸建て住宅が建設されていきますから、中小零細の建設業者などには仕事が回り、地域経済の活性化につながっていきますが、やはり国直轄事業で示されていた今の事業の内容を聞きますと、多くは大手ゼネコン向きの仕事であるともいえます。都民要望に沿って予算の配分を変えていく必要があるということを申し上げておきます。
 それでは、直轄事業には、建設や改修に伴うものとあわせて、維持管理にかかわるものが含まれていると聞いておりますけれども、今年度の維持管理費はどのようになっているでしょうか。

◯町総務部長 本年度の維持管理費でございますけれども、当初予算におきましては、道路事業で十七億円、河川事業で十二億円、合わせて二十九億円でございます。また、今回の補正におきまして、道路事業で十八億円をお願いしております。

◯河野委員 直轄事業の負担金のうち維持管理費については、平成十三年三月の予算特別委員会で石原知事自身が、これは国事として国の責任でやってほしいと述べておられます。そのときの都の負担金六十一億円という数字も出ておりましたけれど、今も四十七億円、東京都が負担していくわけですけれども、現在、この維持管理費について都はどのようなご見解を持っておられますか。
 また、知事の答弁から三年がたちましたけれども、東京都として、この国の直轄事業負担金の制度の問題について、どのように働きかけ、どのような改善がされてきているのかをお伺いしておきます。

◯田中企画担当部長 国の施設の維持管理費につきましては、本来、その公共施設の管理者である国が負担すべきものであると考えております。また、こうした考え方は、第二次地方分権推進計画におきましても、維持管理に係る直轄事業負担金については段階的縮減を含め見直しを行うこととされておりまして、都といたしましては、国に対してその廃止を強く求めてきているところでございます。
 また、知事答弁を踏まえまして、都として国に対して、こういった直轄事業に関してどのような要求をしてきているか、こういうご質問でございますが、直轄事業負担金につきまして、都は以前から国に提案要求を行ってきております。そして、その見直しを求めてきております。
 内容は、三つございます。一点目が、維持管理費の地方負担の廃止、二点目が、事業の内容、経費等について、計画段階から地方公共団体に協議することを義務づける法制度の整備、三点目が、事務費比率について明確な基準を設けることでございます。
 こうした国への働きかけの結果、直轄事業の内容や進捗見込みなどの情報が、国から事前に提供されるようになりました。さらに、事業の内容につきまして、国との意見交換や現場の視察なども行われるようになってきております。このように情報の提供など、一定の改善が図られてきておりますが、引き続き、維持管理費の廃止など、国に対して提案の要求を行ってまいります。

◯河野委員 国の直轄事業負担金について、意見を申し上げておきたいと思います。
 これは、広域事業として、本来国が負担すべきものだと考えます。事業の内容は、環境問題などで都民が見直しを求めている圏央道を初めとした大型幹線道路などが主なものとなっております。直轄事業負担金は国の方で事業内容や金額を決めてくるという仕組みが続いているようで、年度末になっても都の最終負担額が決定できないという状況にあります。
 そして、国の要求額に対して毎年度数十億円、あるいは百億円を超える多額の予算流用を東京都がし続けているという状況も続いております。起債額や利子負担も莫大になり、都財政を圧迫する一因になっております。この全く国のペースで今押しつけられている国の直轄事業負担金は、根本的な制度の見直しが必要であり、したがって、百五十四号議案には反対であることを述べて、質問を終わります。


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